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March 14, 2002 Vol. 346 No. 11

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運動負荷試験を行った男性の運動能力と死亡率
Exercise Capacity and Mortality among Men Referred for Exercise Testing

J. MYERS AND OTHERS

背景

運動能力は,心血管疾患患者の重要な予後因子であることが知られているが,健常人の死亡率も同様に予測できるかどうかは不明である.また,他の臨床検査および運動負荷試験の変数と比較した運動能力の予測力についても不明な点がある.

方 法

平均(± SD)6.2±3.7 年間の追跡調査期間中,臨床上の理由でトレッドミル運動負荷試験を行った合計 6,213 例の連続した男性の検討を行った.被験者を 2 群に分類した:3,679 例は,運動負荷試験の結果が異常,または心血管疾患の病歴がある,もしくはその両方であった.2,534 例は,運動負荷試験の結果が正常であり,心血管疾患の病歴はなかった.全死亡率をエンドポイントとした.

結 果

追跡調査期間中に計 1,256 例が死亡し,年間平均死亡率は 2.6%となった.死亡例は生存例に比べてより高齢であり,最大心拍数がより少なく,最大収縮期血圧と拡張期血圧がより低く,運動能力がより低かった.年齢で補正すると,代謝当量(MET)で測定した最大運動能力が,健常被験者と心血管疾患被験者の双方において,死亡リスクのもっとも強力な予測因子であった.絶対最大運動能力は,年齢から予測される値に対する達成割合よりもさらに強力な死亡リスクの予測因子であり,β遮断薬の使用の有無と運動能力の予測力のあいだに交互作用は認められなかった.運動能力の 1 MET の増加は,生存率の 12%上昇に相応した.

結 論

運動能力は,男性において,心血管疾患の確立された他のリスク因子よりも強力な死亡率の予測因子である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 793 - 801. )