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April 30, 2015 Vol. 372 No. 18

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ケベック州における帝王切開率を低下させるためのクラスター無作為化試験
A Cluster-Randomized Trial to Reduce Cesarean Delivery Rates in Quebec

N. Chaillet and Others

背景

カナダでは帝王切開率がこの 10 年で大幅に上昇している.帝王切開率を低下させるための,有効かつ安全な戦略が必要とされている.

方 法

ケベック州の 32 病院で,1.5 年間の多角的な介入に関するクラスター無作為化対照試験を行った.介入は,帝王切開の適応に対する厳密な検討,医療従事者へのフィードバックの提供,最良の医療の実施であった.主要評価項目は介入後 1 年間の帝王切開率とした.

結 果

対象 184,952 例のうち,介入前の 1 年間に出産したのは53,086 例,介入後の 1 年間に出産したのは 52,265 例であった.介入群では,対照群と比較して,介入前の期間と介入後の期間とで帝王切開率にわずかではあるが有意な低下が認められた(介入群は 22.5%から 21.8%に変化,対照群は 23.2%から 23.5%に変化;病院と患者の特性で補正した経時的増分変化のオッズ比 0.90;95%信頼区間 [CI] 0.80~0.99;P=0.04;補正リスク差 -1.8%;95% CI -3.8~-0.2).低リスク妊娠の女性では帝王切開率の有意な低下が認められたが(補正リスク差 -1.7%,95% CI -3.0~-0.3,P=0.03),高リスク妊娠の女性では認められなかった(P=0.35,交互作用の P=0.03).介入群ではこのほか,対照群と比較して新生児の重度合併症発生率が低下し(補正リスク差 -0.7%,95% CI -1.3~-0.1,P=0.03),軽度合併症発生率の増分が小さかった(補正リスク差 -1.7%,95% CI -2.6~-0.9,P<0.001).母体の軽度/重度合併症発生率の変化には群間で有意差は認められなかった.

結 論

帝王切開の適応に対する厳密な検討,医療従事者に対するフィードバック,最良の医療の実施により,通常のケアと比較して,母体および新生児の転帰に有害作用を及ぼすことなく帝王切開率にわずかではあるが有意な低下が認められた.この利益は,低リスク妊娠における介入の効果によって得られた.(カナダ保健研究機構から研究助成を受けた.QUARISMA 試験:Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN95086407)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 1710 - 21. )