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December 9, 2010 Vol. 363 No. 24

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週 6 回の施設血液透析と週 3 回の施設血液透析の比較
In-Center Hemodialysis Six Times per Week versus Three Times per Week

The FNH Trial Group

背景

この無作為化臨床試験では,施設血液透析の頻度を増やすことにより,維持透析患者の左室重量,身体的健康に関する自己報告,その他の中間転帰に有益な変化がもたらされるかを調査することを目的とした.

方 法

患者を,12 ヵ月にわたり週 6 回の血液透析を受ける群(頻回透析群)と,週 3 回の血液透析を受ける群(従来透析群)のいずれかに無作為に割り付けた.2 つの複合主要転帰は,死亡または心臓 MRI 評価に基づく左室重量の変化(ベースラインから 12 ヵ月まで)と,死亡または RAND 36 項目健康調査の身体-健康複合スコアの変化とした.副次的転帰は,認知機能,うつ症状に関する自己報告,栄養・ミネラル代謝・貧血の臨床検査マーカー,血圧,血管に関連した入院率と介入率などとした.

結 果

頻回透析群では平均で週 5.2 回の透析治療が行われた.1 週あたりの尿素の標準化透析量(Kt/Vurea,尿素クリアランス×透析時間を尿素の分布容積で標準化した数値)は,頻回透析群のほうが従来透析群よりも有意に高かった(3.54±0.56 対 2.49±0.27).どちらの複合主要転帰についても,頻回透析は有意な有益性と関連していた(死亡または左室重量の増加についてのハザード比 0.61,95%信頼区間 [CI] 0.46~0.82;死亡または身体-健康複合スコアの低下についてのハザード比 0.70,95% CI 0.53~0.92).頻回透析群では従来透析群に比べ,血管に関連した介入が行われることが多かった(ハザード比 1.71,95% CI 1.08~2.73).頻回透析は高血圧と高リン血症のコントロールの改善と関連していた.認知機能,うつ症状に関する自己報告,血清アルブミン濃度,赤血球造血刺激因子製剤の使用には,頻回透析による有意な影響は認められなかった.

結 論

頻回透析は従来透析に比べ,死亡または左室重量の変化,および死亡または身体-健康複合スコアの変化から成る複合転帰に関して良好な結果と関連していたが,血管に関連した介入の頻度はより高くなった.(米国国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00264758)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 2287 - 300. )