The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 7, 2014 Vol. 371 No. 6

血管・肺症候群における活性化 STING
Activated STING in a Vascular and Pulmonary Syndrome

Y. Liu and Others

背景

自己炎症性疾患の研究により,サイトカインの調節異常と炎症の機序が明らかにされてきている.

方 法

若年性の全身性炎症,皮膚血管炎,肺炎を呈する指標患児の DNA を解析した.この患児と,類似した臨床表現型を呈する血縁関係のない患児 5 例において,インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)をコードする候補遺伝子 TMEM173 の塩基配列を決定した.4 例を,臨床学的,免疫学的に評価した.STING のリガンドである環状グアノシン一リン酸–アデノシン一リン酸(cGAMP)を用いて,患児と対照児から採取した末梢血単核球と線維芽細胞,および市販されている内皮細胞を刺激し,インターフェロンβをコードする遺伝子 IFNB1 の転写量を定量した.IFNB1 レポーターとSTING の変異体または非変異体を同時移入した HEK293T 細胞において,IFNB1 レポーター活性を解析した.変異 STING は,シグナル伝達兼転写活性化因子 1(STAT1)のリン酸化を促進することから,患児と対照児のリンパ球を用いて,STAT1 のリン酸化に対するヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬の効果を検討した.

結 果

患児 6 例の TMEM173 のエクソン 5 において,3 つの変異を同定した.患児の末梢血単核球では,IFNB1 とその他の STING 標的遺伝子の転写量が増加しており,この経路が恒常的に活性化されていることが示された.この転写量の増加は,刺激によってさらにアップレギュレートされることはなかった.患児の線維芽細胞を cGAMP で刺激すると,IFNB1 の転写量は増加したが,インターロイキン-1 をコードする遺伝子(IL1),インターロイキン-6 をコードする遺伝子(IL6),腫瘍壊死因子をコードする遺伝子(TNF)の転写量は増加しなかった.変異体を移入した HEK293T 細胞では IFNB1 レポーター活性の上昇が認められた.STING は内皮細胞にも発現しており,この細胞を cGAMP に曝露すると内皮活性化とアポトーシスが引き起こされた.患児のリンパ球におけるリン酸化 STAT1 の恒常的なアップレギュレーションは,JAK 阻害薬によって低下した.

結 論

乳児発症性 STING 関連血管炎(SAVI)は,TMEM173 の機能獲得型変異によって引き起こされる自己炎症性疾患である.(米国国立関節炎・骨軟部疾患・皮膚疾患研究所の内部研究プログラムから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00059748)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 507 - 18. )