進行期ホジキンリンパ腫患者における中間 PET-CT 結果をもとにした治療変更
Adapted Treatment Guided by Interim PET-CT Scan in Advanced Hodgkin’s Lymphoma
P. Johnson and Others
進行期ホジキンリンパ腫患者の治療指針を得るために,化学療法の早期治療効果判定法として中間 PET-CT を検討した.
新たに進行期古典的ホジキンリンパ腫と診断された患者にベースラインで PET-CT を行い,ABVD(ドキソルビシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジン)療法を 2 サイクル施行後,中間 PET-CT を行った.画像は,PET 所見の 5 ポイントスケールで中央判定された.2 サイクル施行後に PET 陰性であった患者を,3 サイクル目から 6 サイクル目まで,ABVD を継続する群(ABVD 群)とブレオマイシンを除外する群(AVD 群)に無作為に割り付けた.PET 陽性であった患者には,BEACOPP(ブレオマイシン,エトポシド,ドキソルビシン,シクロホスファミド,ビンクリスチン,プロカルバジン,プレドニゾン)療法を施行した.PET 陰性であった患者には,放射線療法は推奨しなかった.主要評価項目は 3 年無増悪生存率の群間差とし,5 パーセントポイント以上の差を除外する,非劣性比較とした.
1,214 例が登録された.プロトコールに基づき中間 PETCT を行った 1,119 例のうち,937 例(83.7%)が陰性であった.追跡期間中央値 41 ヵ月の時点で,3 年無増悪生存率と全生存率は,ABVD 群ではそれぞれ 85.7%(95%信頼区間 [CI] 82.1~88.6)と 97.2%(95% CI 95.1~98.4),AVD 群では 84.4%(95% CI 80.7~87.5)と 97.6%(95% CI 95.6~98.7)であった.3 年無増悪生存率の絶対差(ABVD 群-AVD 群)は,1.6 パーセントポイント(95% CI -3.2~5.3)であった.呼吸器有害事象の重症度は,ABVD 群のほうが AVD 群よりも高かった.BEACOPP は,中間 PET-CT 陽性であった 172 例に施行され,74.4%は 3 回目の PET-CT で陰性であり,3 年無増悪生存率は 67.5%,全生存率は 87.8%であった.適格患者全体では 62 例が死亡し(ホジキンリンパ腫による死亡 24 例),3 年無増悪生存率は 82.6%,全生存率は 95.8%であった.
今回の結果は規定した非劣性マージンに達しなかったものの,中間 PET 陰性患者の ABVD レジメンからブレオマイシンを除外した場合,ABVD を継続した場合と比較して肺毒性発現率が低下したが,有効性に有意な低下は認められなかった.(キャンサーリサーチ UK から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00678327)