The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 22, 2016 Vol. 375 No. 25

PCI を施行する心房細動患者における出血の予防
Prevention of Bleeding in Patients with Atrial Fibrillation Undergoing PCI

C.M. Gibson and Others

背景

ステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行された心房細動患者では,ビタミン K 拮抗薬に,P2Y12 阻害薬とアスピリンによる抗血小板薬 2 剤併用療法(DAPT)を併用する標準抗凝固療法により,血栓症と脳卒中のリスクが低下するが,出血のリスクが上昇する.リバーロキサバンに 1 剤または 2 剤の抗血小板薬を併用する抗凝固療法の有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

非弁膜症性心房細動を有し,ステント留置を伴う PCI が施行された 2,124 例を,低用量リバーロキサバン(15 mg を 1 日 1 回)+P2Y12 阻害薬を 12 ヵ月間投与する群(第 1 群),超低用量リバーロキサバン(2.5 mg を 1 日 2 回)投与+DAPT を 1 ヵ月間,6 ヵ月間,または 12 ヵ月間行う群(第 2 群),用量調節したビタミン K 拮抗薬(1 日 1 回)投与+DAPT を 1 ヵ月間,6 ヵ月間,または 12 ヵ月間行う標準療法群(第 3 群)に,1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要安全性転帰は,臨床的に重大な出血(心筋梗塞血栓溶解 [TIMI] 基準による大出血・小出血,または治療を要する出血の複合)とした.

結 果

臨床的に重大な出血の発生率は,リバーロキサバンを投与した 2 群で,標準療法群よりも低かった(第 1 群 16.8%,第 2 群 18.0%,第 3 群 26.7%;第 1 群の第 3 群に対するハザード比 0.59,95%信頼区間 [CI] 0.47~0.76,P<0.001;第 2 群の第 3 群に対するハザード比 0.63,95% CI 0.50~0.80,P<0.001).心血管系の原因による死亡,心筋梗塞,または脳卒中の複合発生率は,3 群で同程度であった(Kaplan–Meier 推定発生率は第 1 群 6.5%,第 2 群 5.6%,第 3 群 6.0%;P 値はすべての比較で有意ではなかった).

結 論

ステント留置を伴う PCI が施行された心房細動患者で,12 ヵ月間の低用量リバーロキサバン+P2Y12 阻害薬,または 1 ヵ月間,6 ヵ月間,もしくは 12 ヵ月間の超低用量リバーロキサバン+DAPT は,1 ヵ月間,6 ヵ月間,または 12 ヵ月間のビタミン K 拮抗薬+DAPT による標準療法と比較して,臨床的に重大な出血の発生率が低いことに関連していた.有効率は 3 群で同程度であったが,観察された信頼区間の幅が大きかったため有効性に関する結論の確実性は低くなる.(Janssen Scientific Affairs 社,Bayer Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.PIONEER AF-PCI 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01830543)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 2423 - 34. )