The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 19, 2017 Vol. 377 No. 16

心房細動患者における PCI 後のダビガトランを用いた抗血栓薬 2 剤併用療法
Dual Antithrombotic Therapy with Dabigatran after PCI in Atrial Fibrillation

C.P. Cannon and Others

背景

ワルファリン+抗血小板薬 2 剤による抗血栓薬 3 剤併用療法は,心房細動患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の標準治療であるが,この療法は出血のリスクが高いことに関連している.

方 法

多施設共同試験で,PCI を受けた心房細動患者 2,725 例を,ワルファリン+P2Y12 阻害薬(クロピドグレルまたはチカグレロル)に加えてアスピリン(1~3 ヵ月間)を投与する群(3 剤併用療法群)と,ダビガトラン(110 mg または 150 mg を 1 日 2 回)+P2Y12 阻害薬(クロピドグレルまたはチカグレロル)を投与し,アスピリンは投与しない群(110 mg 2 剤併用療法群,150 mg 2 剤併用療法群)に無作為に割り付けた.米国以外では,高齢者(80 歳以上,日本では 70 歳以上)は 110 mg 2 剤併用療法群または 3 剤併用療法群に無作為に割り付けた.追跡期間(平均 14 ヵ月)に発生した重大な,または重大ではないが臨床的に重要な出血イベントを主要エンドポイントとした.また,血栓塞栓イベント(心筋梗塞,脳卒中,全身性塞栓症),死亡,予定外の血行再建から成る有効性の複合エンドポイントの発生率に関して,ダビガトランを用いた 2 剤併用療法(両用量群を統合)の,ワルファリンを用いた 3 剤併用療法に対する非劣性を検討した.

結 果

主要エンドポイントの発生率は,110 mg 2 剤併用療法群で 15.4%であったのに対し,3 剤併用療法群では 26.9%(ハザード比 0.52,95%信頼区間 [CI] 0.42~0.63,非劣性の P<0.001,優越性の P<0.001),150 mg 2 剤併用療法群で 20.2%であったのに対し,米国以外の高齢者を含まない 3 剤併用療法群では 25.7%(ハザード比 0.72,95% CI 0.58~0.88,非劣性の P<0.001)であった.有効性の複合エンドポイントの発生率は,2 剤併用療法群の 2 群を合わせると 13.7%であったのに対し,3 剤併用療法群では 13.4%であった(ハザード比 1.04,95% CI 0.84~1.29,非劣性の P=0.005).重篤な有害事象の発現率に群間で有意差は認められなかった.

結 論

PCI を受けた心房細動患者において,出血のリスクは,ダビガトラン+P2Y12 阻害薬の 2 剤併用療法を受けた例のほうが,ワルファリン+P2Y12 阻害薬+アスピリンの 3 剤併用療法を受けた例よりも低かった.血栓塞栓イベントのリスクに関して,2 剤併用療法は 3 剤併用療法に対し非劣性を示した.(Boehringer Ingelheim 社から研究助成を受けた.RE-DUAL PCI 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02164864)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1513 - 24. )