The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 16, 2017 Vol. 377 No. 20

競技スポーツ中の突然の心停止
Sudden Cardiac Arrest during Participation in Competitive Sports

C.H. Landry and Others

背景

スポーツ活動中の突然の心停止の発生率は明らかにされていない.スポーツ活動中の突然の心停止を予防することを目的とした事前スクリーニングプログラムによってリスクのあるアスリートの同定が可能であると考えられるが,そのようなプログラムの有効性については議論が続いている.われわれは,カナダの特定地域内でスポーツ活動中に発生した突然の心停止をすべて同定し,原因を特定することを試みた.

方 法

Rescu Epistry 心停止データベース(ネットワーク地域内の救急医療隊員が対応した心停止全件の記録を含む)を用いた後ろ向き研究で,2009~14 年に 12~45 歳の人でスポーツ中に発生したすべての院外心停止を同定した.症例は,救急車要請電話の記録,剖検記録,院内データ,患者・家族への直接面談の記録など,複数の情報源の記録をもとに,突然の心停止(すなわち心原性)か,非心原性のイベントかを判定した.

結 果

1,850 万人年の観察期間に,スポーツ中の突然の心停止は 74 件発生した.内訳は競技スポーツ中が 16 件,競技以外のスポーツ中が 58 件であった.競技スポーツ中の突然の心停止の発生率はアスリート 100,000 人年あたり 0.76 件で,生存退院率は 43.8%であった.競技スポーツ中に突然の心停止を起こしたアスリートにおいて,肥大型心筋症による死亡は 2 件,不整脈原性右室心筋症による死亡はなかった.競技スポーツ中に発生した突然の心停止のうち 3 件は,事前スクリーニングを受けていれば同定しえた可能性があると判定された.

結 論

院外心停止を起こした人を対象とした今回の研究で,競技スポーツ中の突然の心停止の発生率は,アスリート 100,000 人年あたり 0.76 件であった.競技スポーツ中に,構造的心疾患による突然の心停止が発生する頻度は低かった.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1943 - 53. )