The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 10, 2017 Vol. 377 No. 6

2015~16 年のインフルエンザ流行期間中の米国におけるワクチンの効果
Influenza Vaccine Effectiveness in the United States during the 2015–2016 Season

M.L. Jackson and Others

背景

2013~14 年の弱毒生インフルエンザワクチンに使用された A(H1N1)pdm09 ウイルス株は,インフルエンザ流行期に若年小児で効果が不十分であったため,2015~16 年には変更された.インフルエンザワクチン効果ネットワークは,2015~16 年のインフルエンザワクチンの効果の推定の一環として,この変更の影響を評価した.

方 法

米国内の地理的に異なる施設の外来診療所を急性呼吸器疾患で受診した生後 6 ヵ月以上の患者を登録した.診断陰性例(test-negative)デザインを用いて,ワクチン効果を(1-OR)×100 として推定した(OR は,ワクチン接種者が未接種者と比較してインフルエンザウイルス陽性となるオッズ比).不活化ワクチンと弱毒生ワクチンそれぞれの推定値を算出した.

結 果

適格であった 6,879 例のうち,1,309 例(19%)がインフルエンザウイルス陽性と判定され,ウイルス型は主に A(H1N1)pdm09(11%)と B 型(7%)であった.あらゆるインフルエンザ疾患に対するインフルエンザワクチンの効果は 48%(95%信頼区間 [CI] 41~55)であった(P<0.001).2~17 歳の小児において,不活化ワクチンの効果は 60%(95% CI 47~70)であり(P<0.001),弱毒生ワクチンの効果は認められなかった(ワクチン効果 5%,95% CI -47~39,P=0.80).小児における A(H1N1)pdm09 に対するワクチン効果は,不活化ワクチンが 63%(95% CI 45~75,P<0.001)であったのに対し,弱毒生ワクチンは-19%(95% CI -113~33,P=0.55)であった.

結 論

インフルエンザワクチンによって 2015~16 年のインフルエンザ疾患のリスクは低下した.しかし,不活化ワクチンに大きな効果がみられた年に,弱毒生ワクチンは小児には無効であることが判明した.2016~17 年に弱毒生ワクチンに使用された A(H1N1)pdm09 株は,2015~16 年から変更されなかったため,予防接種諮問委員会(ACIP)は,2016~17 年のインフルエンザ流行期に弱毒生ワクチンを使用しないようにという中間勧告を出した.(米国疾病管理予防センター,米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 534 - 43. )