The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 22, 2018 Vol. 378 No. 12

異時性胃癌予防のための Helicobacter pylori 治療
Helicobacter pylori Therapy for the Prevention of Metachronous Gastric Cancer

I.J. Choi and Others

背景

胃の粘膜または粘膜下層にとどまる早期胃癌の患者では通常,粘膜腺組織の減少が進んでおり(粘膜萎縮),その後(異時性に)新しい胃癌が発生するリスクが高い.Helicobacter pylori の除菌治療が組織学的改善と異時性胃癌の予防に及ぼす長期効果は明らかにされていない.

方 法

前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験において,早期胃癌または高異型度腺腫の内視鏡的切除を受けた 470 例を,抗菌薬により H. pylori を除菌する群とプラセボを投与する群に割り付けた.主要評価項目は,追跡 1 年の時点以降に行った内視鏡検査で発見された異時性胃癌の発生と,追跡 3 年の時点での胃体部小彎における粘膜萎縮の程度のベースラインからの改善とした.

結 果

396 例を修正 intention-to-treat 解析集団の対象とした(除菌群 194 例,プラセボ群 202 例).追跡期間中央値 5.9 年のあいだに,異時性胃癌は,除菌群の 14 例(7.2%)とプラセボ群の 27 例(13.4%)で発生した(除菌群のハザード比 0.50,95%信頼区間 0.26~0.94,P=0.03).組織学的解析を行ったサブグループの 327 例では,胃体部小彎における萎縮の程度のベースラインからの改善が,除菌群の 48.4%とプラセボ群の 15.0%で観察された(P<0.001).重篤な有害事象は認められず,軽度の有害事象の頻度は除菌群のほうが高かった(42.0% 対 10.2%,P<0.001).

結 論

H. pylori の除菌治療を受けた早期胃癌患者では,プラセボの投与を受けた患者よりも,異時性胃癌の発生率が低く,胃体部萎縮の程度のベースラインからの改善が大きかった.(韓国国立がんセンターから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02407119)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1085 - 95. )