The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 29, 2018 Vol. 378 No. 13

急性骨髄性白血病における分子レベルの微小残存病変
Molecular Minimal Residual Disease in Acute Myeloid Leukemia

M. Jongen-Lavrencic and Others

背景

急性骨髄性白血病(AML)患者は,完全寛解が得られることが多いが,再発率は依然として高い.次世代シーケンシングでは実質的にすべての患者で分子レベルの微小残存病変を検出することができるが,再発を予測するうえでの臨床的意義はまだ確立されていない.

方 法

新たに AML と診断された 18~65 歳の患者を対象に研究を行った.診断時と寛解導入療法後(完全寛解中)に,標的を絞った次世代シーケンシングを行った.4 年の時点での再発率,無再発生存率,全生存率を評価項目とした.

結 果

482 例中 430 例(89.2%)で,変異が少なくとも 1 つ検出された.変異はそのうち 51.4%では完全寛解中も持続し,またアレル頻度にはばらつきがあった(0.02~47%).加齢に伴うクローン性造血がみられる人にしばしば存在する DTA 変異(すなわち DNMT3ATET2ASXL1 の変異)の持続的な検出は,再発率の高さとは関連しなかった.持続的な DTA 変異を除くと,分子レベルの微小残存病変が検出されることは,検出されない場合と比較して,再発率が有意に高いこと(55.4% 対 31.9%,ハザード比 2.14,P<0.001)のほか,無再発生存率が低いこと(36.6% 対 58.1%,再発または死亡のハザード比 1.92,P<0.001),全生存率が低いこと(41.9% 対 66.1%,死亡のハザード比 2.06,P<0.001)に関連した.多変量解析では,完全寛解中に DTA 以外の変異が持続的に検出されることは,再発率(ハザード比 1.89,P<0.001),無再発生存率(再発または死亡のハザード比 1.64,P=0.001),全生存率(死亡のハザード比 1.64,P=0.003)に関して,独立した高い予後予測能が確認された.残存病変の検出についてシーケンシングとフローサイトメトリーを比較したところ,シーケンシングには付加的な,高い予後予測能があることが示された.

結 論

AML 患者で完全寛解中に分子レベルの微小残存病変が検出されることには,再発率と生存率に関する独立した高い予後予測能があるが,クローン性造血に関連する変異が持続的に検出されることには,4 年の期間内でみた場合にそのような予後予測能はなかった.(オランダがん協会ウィルヘルミナ女王基金ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1189 - 99. )