- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
November 12, 2009
Vol. 361 No. 20
ORIGINAL ARTICLE
-
オーストラリア・ニュージーランドにおける 2009 H1N1 インフルエンザと救命集中治療
Critical Care Services and 2009 H1N1 Influenza in Australia and New Zealandこの研究では,オーストラリア・ニュージーランドの集中治療室(ICU)コンソーシアムが,2009 H1N1 ウイルス感染に関連した ICU 診療の経験について報告している.全体の ICU 入室率は住民 100 万人あたり 28.7 例で,例年の約 15 倍であった.地域で流行がピークになった期間に,感染患者が ICU ベッドを占める割合は 8.9~19.0%であった.
-
米国における 2009 H1N1 インフルエンザの入院患者 ― 2009 年 4月~6 月
Hospitalized Patients with 2009 H1N1 Influenza in the United States, April-June 2009パンデミックインフルエンザ A(H1N1)ウイルスは,この 6 ヵ月間で世界的に急速に広まった.この報告では,米国疾病対策予防センター(CDC)の研究者らが,米国で 2009 年春の 2 ヵ月間にこのウイルスに感染して入院した,初期の患者の臨床像について述べている.
-
2009 パンデミック H1N1 インフルエンザウイルスに対する交差反応性抗体
Cross-Reactive Antibody Responses to the 2009 Pandemic H1N1 Influenza VirusCDC の研究者らは,献血者,および以前インフルエンザワクチンの試験に参加した被験者の保存血清検体を分析した.その結果,通常の季節性インフルエンザに対する三価ワクチンでは現在のパンデミック H1N1 ウイルスに対する免疫はほとんど誘導されないこと,また,1950 年以前に生まれた被験者の 34%はこのパンデミックウイルスに対する免疫をある程度有していることが明らかにされた.
-
腎動脈狭窄に対する血行再建術と内科的治療の比較
Revascularization versus Medical Therapy for Renal-Artery Stenosis臨床試験で,腎血管疾患患者 806 例を,内科的治療に腎血行再建術を併用する群と,内科的治療のみを行う群のいずれかに無作為に割り付けた.中央値 34 ヵ月の追跡期間に,腎機能低下速度(主要エンドポイント)に群間で有意差は認められなかった.血行再建群では重篤な合併症が 23 例に認められた.
SPECIAL ARTICLE
-
ガバペンチンの適応外使用に関する企業の資金提供による試験の転帰報告
Outcome Reporting in Industry-Sponsored Trials of Gabapentin for Off-Label Useこの論文では,ガバペンチンの適応外使用に関して製造業者が資金提供した試験について,試験プロトコールで規定された転帰と出版論文に記載された転帰を比較した.著者らは企業の内部文書を入手し,論文内容と試験計画との相違について詳述している.
CLINICAL PRACTICE
-
腎動脈狭窄
Renal-Artery Stenosis高血圧の既往と喫煙歴のある 73 歳の男性が息切れで受診した.血圧は 160/75 mmHg で,血清クレアチニン値は 1.4 mg/dL である.胸部聴診で広範囲にラ音が聴取された.利尿薬により症状は改善した.画像検査では,大動脈の病変と左腎動脈に高度の入口部病変が認められた.この男性をさらにどのように評価し,治療すべきであろうか?
INTERACTIVE MEDICAL CASE
-
妊娠後期のクリーゼ
A Crisis in Late Pregnancy妊娠 37 週の 31 歳の女性が,重度の両側頭痛と息切れで救急部を受診した.この症例の検査を指示してご自身の診断・治療技術を確認し,NEJM.org でほかの方と比較してください.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
-
腎不全,糖尿病ケトアシドーシス,精神状態の変化を呈する男性腎移植レシピエント
A Male Renal-Transplant Recipient with Renal Insufficiency, Diabetic Ketoacidosis, and Mental-Status Changes腎移植の既往を有する糖尿病の 60 歳の男性が,精神状態の変化,下痢,腎不全,糖尿病ケトアシドーシス,低血圧のため入院した.診察では,悪液質で,錯乱しているようであった.骨盤部の超音波検査では,移植腎上極に限局した,境界明瞭な円形の低エコー病変が認められた.入院 4 日目に,人工換気を要する呼吸困難をきたした.