October 23, 1997 Vol. 337 No. 17
米国生まれの黒人,アフリカ生まれの黒人,そして米国生まれの白人の乳児における出生体重の差
DIFFERING BIRTH WEIGHT AMONG INFANTS OF U.S.-BORN BLACKS, AFRICAN-BORN BLACKS, AND U.S.-BORN WHITES
R.J. DAVID AND J.W. COLLINS, JR.
米国では,黒人女性の新生児の出生体重は白人女性のそれより低い.黒人における出生体重の低さの程度が,社会的または遺伝的要因に関連するか否かはわかっていない.
われわれは,1980~95 年のイリノイ州の出生記録を用いて,3 群の女性-米国生まれの黒人,アフリカ生まれの黒人,そして米国生まれの白人-に生まれた新生児の出生体重の分布を求めた.
米国生まれの白人女性の新生児 44,046 人の平均出生体重は 3,446 g,アフリカ生まれの黒人女性の新生児 3,135 人では 3,333 g,そして米国生まれの黒人女性の新生児 43,322 人では 3,089 g であった.低体重児(体重 2,500 g 未満)の発生率は,米国生まれの黒人女性の新生児では 13.2%,アフリカ生まれの黒人女性の新生児では 7.1%,これに対し,米国生まれの白人女性の新生児では 4.3%であった(相対リスクはそれぞれ,3.1 および 1.6).リスクがもっとも低い女性(20~39 歳,母親自身とその配偶者の教育年数が 12 年,出生前の早期治療,妊娠回数 2~3 回,そして流産経験なし)では,アフリカ生まれの黒人女性の新生児の低体重発生率(3.6%)は,米国生まれの白人女性の新生児の発生率(2.4%)に近かったが,米国生まれの黒人女性の新生児における発生率(7.5%)はなお高かった.
アフリカ生まれの黒人と米国生まれの白人女性の新生児の出生体重パターンは,米国生まれの黒人女性の新生児の出生体重と比べて互いに密接に関連している.