The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 6, 1998 Vol. 339 No. 6

クロドロネートのアジュバント治療による乳癌の新たな転移の減少
REDUCTION IN NEW METASTASES IN BREAST CANCER WITH ADJUVANT CLODRONATE TREATMENT

I.J. DIEL AND OTHERS

背景

 ビスフォスフォネートは,破骨細胞の活性を抑制することから,特定の疾患によって生じる骨吸収の増加に対して有効である.転移性骨疾患を有する乳癌患者において,ビス フォスフォネートであるクロドロネート(クロドロン酸)は,骨格系合併症の発生率を減少させる.動物実験および予備的な臨床観察は,早期クロドロネート療法が乳癌における新たな骨転移の発生率を低下させることを示している.われわれは,乳癌患者における新たな転移の発生率および程度に及ぼすクロドロネートの効果を調べた.

方 法

 1990 ~ 95 年のあいだに,原発性乳癌で骨髄に腫瘍細胞がある(その存在は遠隔転移発生の危険因子である)患者 302 人を無作為割付けして,用量 1,600 mg /日のクロドロネートの連日経口投与を 2 年間(患者 157 人),または標準的な追跡調査(145 人)を行った.観察期間の中央値は 36 ヵ月であった.両群の患者は全員,標準的な外科治療および通例のホルモン療法または化学療法を受けた.

結 果

 遠隔転移はクロドロネート群では患者 21 人に,そして対照群では 42 人に検出された(p < 0.001).骨転移および内臓転移の発生率はいずれも,クロドロネート群では対照群より有意に低かった(骨転移および内臓転移の双方に関して p = 0.003).クロドロネート群では患者 6 人が死亡したのに対し,対照群では 22 人が死亡した(p = 0.001).クロドロネート群の患者 1 人当りの骨転移の平均数は,対照群のほぼ半分であった(3.1 対 6.3 ).

結 論

 クロドロネートは,遠隔転移のリスクが高い乳癌患者において新たな骨転移および内臓転移の発生率および数を減少させることができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 357 - 63. )