The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 11, 2000 Vol. 342 No. 19

2 型糖尿病患者における食物線維高摂取の有益な効果
Beneficial Effects of High Dietary Fiber Intake in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus

M. CHANDALIA AND OTHERS

背景

 2 型糖尿病の患者の血糖管理において,食物線維の摂取量を増加させることの効果については意見がわかれている.

方 法

 今回,無作為クロスオーバー試験を実施し,2 型糖尿病の 13 例の患者を,それぞれ 6 週間づつの 2 種類の食事療法に割り付けた: 米国糖尿病協会(the American Diabetes Association : ADA)によって推奨されている適度の食物線維を含んだ食事(総含有量,24 g; 水溶性食物線維を 8 g,不溶性食物線維を 16 g),および高食物線維の食事(総含有量,50 g; 水溶性食物線維を 25 g,不溶性食物線維を 25 g)で食物線維強化食品を含まないもの(非強化食品).どちらの食事も,研究調理室で準備されたもので,大栄養素の含有量とエネルギー量は同じであった.この 2 種類の食事療法の,血糖の管理と血漿中の脂質濃度に対する効果を比較した.

結 果

 食事療法に対するコンプライアンスは非常に良かった.高食物線維食の 6 週間目の期間には,ADA 食の 6 週間目の期間と比較して,食前の平均血漿中グルコース濃度が 13 mg / dL(0.7 mmol / L)低下し(95%信頼区間,1 ~ 24 mg / dL[ 0.1 ~ 1.3 mmol / L ]; p = 0.04),平均の 1 日尿糖排泄は 1.3 g 減少した(差の中央値,0.23 g; 95%信頼区間,0.03 ~ 1.83; p = 0.008).さらに,高食物線維食では,2 時間間隔で24 時間測定したグルコースとインスリンの血漿中濃度の曲線下面積(AUC 0 ~ 24 h)も,それぞれ 10%(p = 0.02)および 12%(p = 0.05)減少していた.また,高食物線維食は,血漿中の総コレステロール濃度を 6.7%(p = 0.02),トリグリセリド濃度を10.2%(p = 0.02),超低比重(VLD)リポたんぱくコレステロール濃度を 12.5%(p = 0.01)低下させた.

結 論

 2 型糖尿病患者では,食物線維の高摂取,特に水溶性食物線維の ADA 推奨摂取量を超える摂取によって,血糖の管理が改善され,高インスリン血症が減少し,血漿中の脂質濃度が低下する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1392 - 8. )