HCV 遺伝子型 2 または 3 に対するペグインターフェロンα-2b+リバビリンの 12 週投与と 24 週投与の比較
Peginterferon Alfa-2b and Ribavirin for 12 vs. 24 Weeks in HCV Genotype 2 or 3
A. Mangia and Others
遺伝子型が 2 型または 3 型の C 型肝炎ウイルス(HCV)に感染し,4 週間の治療後に HCV RNA が検出されない患者では,12 週間の治療は 24 週間の治療と同程度有効であるという仮説を立てた.
計 283 例の患者を,ペグインターフェロン α-2b(1.0 μg/kg/週)+リバビリン(体重に応じて 1,000 mg/日または 1,200 mg/日)による標準の 24 週レジメンに無作為に割付けた.このうち 70 例を 24 週のレジメン(標準期間群)に,213 例を 12 週または 24 週のレジメン(可変期間群)に割付けた.可変期間群の治療期間は,4 週の時点で HCV RNA 検査が陰性か陽性かによって決定した.主要エンドポイントは,治療終了後 24 週の時点で,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で HCV が検出されないこととした.
4 週の時点で,PCR 法で HCV が検出されなかったのは,標準期間群では 45 例(64%)であったのに対し,可変期間群では 133 例(62%)であった(差 [標準期間群の割合と可変期間群の割合の差],2%;95%信頼区間 -11~15%).標準期間群の 53 例(76%)と可変期間群の 164 例(77%)にウイルス学的反応が持続した(差 -1%,95%信頼区間 -13~10%).可変期間群では,12 週レジメンを受けた患者のほうが 24 週レジメンを受けた患者よりも有害事象の発生が少なく,治療の中断も少なかった(P=0.045).再発率(治療終了時に HCV が検出されず,追跡終了時に検出されることと定義)は,標準期間群で 3.6%,可変期間群で 8.9%であった(P=0.16).全体では,ウイルス学的反応が持続する割合は,HCV の遺伝子型が 2 型の患者では 80%,3 型の患者では 66%であった(P<0.001).
遺伝子型が 2 型または 3 型の HCV に感染し,4 週の時点で治療が奏効した患者では,ペグインターフェロン α-2b+リバビリンの 12 週の短期治療は,24 週治療と同程度有効である.