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January 8, 2009 Vol. 360 No. 2

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中国における喫煙に起因する死亡
Mortality Attributable to Smoking in China

D. Gu and Others

背景

喫煙はさまざまな疾患の危険因子であるが,経済的に発展途上の地域で喫煙率は上昇している.この研究の目的は,中国における喫煙に起因する死亡数を検討することである.

方 法

中国全土を代表する 40 歳以上の中国人成人 169,871 例から成る標本集団を対象とした大規模前向きコホート研究を実施した.中国高血圧全国調査(China National Hypertension Survey)の研究者が,標準プロトコールを用いて 1991 年のベースライン調査での喫煙その他の危険因子に関するデータを収集した.追跡評価は 1999 年と 2000 年に実施し,回答率は 93.4%であった.多変量補正後の相対リスク,喫煙率,死亡率,性別の各年齢階級別人口数を用いて,2005 年における喫煙に起因する死亡数を算出した.

結 果

複数の危険因子で補正後,男女ともに,喫煙したたばこの箱・年とあらゆる原因による死亡とのあいだに有意な用量反応関係がみられた(傾向の P<0.001).2005 年の中国における計 673,000 件(95%信頼区間 [CI] 564,700~781,400)の死亡が喫煙に起因すると推定された.内訳は男性 538,200 例(95% CI 455,800~620,600),女性 134,800 例(95% CI 108,900~160,800)であった.喫煙関連死亡の主な原因は,癌 268,200 例(95% CI 214,500~321,900),心血管疾患 146,200 例(95% CI 79,200~213,100),呼吸器疾患 66,800 例(95% CI 20,300~113,300)であった.

結 論

今回の研究は,中国では喫煙が死亡の主な危険因子であることを示している.中国における喫煙関連死亡を減らすためには,喫煙予防と禁煙に関する全中プログラムとイニシアチブの強化を継続する必要がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 150 - 9. )