September 24, 2009 Vol. 361 No. 13
インフルエンザに対する不活化ワクチンと弱毒生ワクチンの効果の比較
Comparative Efficacy of Inactivated and Live Attenuated Influenza Vaccines
A.S. Monto and Others
インフルエンザワクチンの効果はさまざまな要因によって毎年異なる可能性があり,また,不活化ワクチンか弱毒生ワクチンかでも異なる可能性がある.
2007~08 年のインフルエンザ流行期に,健常成人を対象に,承認されている不活化ワクチンと弱毒生ワクチンについて無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施し,これらのワクチンの絶対効果と相対効果を評価した.
2007 年秋に 1,952 例の被験者を登録し,試験ワクチンを接種した.インフルエンザ流行期は 2008 年 1 月~4 月で,流行したウイルスは A 型(H3N2 型)が約 90%,B 型が約 9%であった.細胞培養によるウイルス分離,リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応法による同定,またはそれらの併用によって評価した,A 型・B 型のインフルエンザに対する絶対効果は,不活化ワクチン 68%(95%信頼区間 [CI] 46~81),弱毒生ワクチン 36%(95% CI 0~59)であった.相対効果については,不活化ワクチン群では検査で確認されたインフルエンザの発症が,弱毒生ワクチン群と比較して 50%(95% CI 20~69)減少した.A 型インフルエンザに対する絶対効果は,不活化ワクチン 72%(95% CI 49~84),弱毒生ワクチン 29%(95% CI -14~55)であり,不活化ワクチンの相対効果は 60%(95% CI 33~77)であった.
2007~08 年のインフルエンザ流行期間中,健常成人に対する不活性化ワクチンの接種は,検査で確認された症候性 A 型インフルエンザ(主に H3N2 型)の予防に有効であった.弱毒生ワクチンでもインフルエンザは予防されたが,その効果は不活化ワクチンよりも低かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00538512)