October 13, 2011 Vol. 365 No. 15
ゾレドロン酸を用いた乳癌補助療法
Breast-Cancer Adjuvant Therapy with Zoledronic Acid
R.E. Coleman and Others
早期乳癌患者にビスホスホネート製剤を補助的に使用すると,再発率・死亡率が減少することがデータから示唆されている.標準的な補助療法にゾレドロン酸を追加投与することでこのような患者の転帰が改善するかどうかを検討することを目的として試験を行った.
第 3 相非盲検試験において,患者 3,360 例を,標準的な補助全身療法にゾレドロン酸を併用する群と併用しない群とに無作為に割り付けた.ゾレドロン酸投与は 3~4 週ごとに 6 回行い,その後は 3~6 ヵ月ごとに計 5 年間行った.この試験の主要エンドポイントは無病生存率とした.2 回目の中間解析で,事前に規定した有益性の欠如に関する基準を超えていることが明らかとなった.
追跡期間中央値 59 ヵ月の時点では,主要エンドポイントに群間で有意差は認められず,無病生存率は各群 77%であった(ゾレドロン酸群の補正ハザード比 0.98,95%信頼区間 [CI] 0.85~1.13,P=0.79).再発または死亡はゾレドロン酸群 377 例,対照群 375 例にみられた.死亡数はゾレドロン酸群 243 例,対照群 276 例と同程度であり,全生存率はゾレドロン酸群 85.4%,対照群 83.1%となった(補正ハザード比 0.85,95% CI 0.72~1.01,P=0.07).ゾレドロン酸群では顎骨壊死の確定例 17 例(累積発生率 1.1%,95% CI 0.6~1.7,P<0.001)と疑い例 9 例が認められたが,対照群では認められなかった.その他の有害作用の発生率は両群で同程度であった.
これらの結果は,乳癌の補助的管理にゾレドロン酸をルーチンに使用することを支持するものではない.(Novartis Pharmaceuticals 社,英国国立癌研究ネットワークから研究助成を受けた.AZURE Current Controlled Trials 番号:ISRCTN79831382)