The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 15, 2016 Vol. 375 No. 24

アトピー性皮膚炎に対するデュピルマブとプラセボとを比較した 2 件の第 3 相試験
Two Phase 3 Trials of Dupilumab versus Placebo in Atopic Dermatitis

E.L. Simpson and Others

背景

インターロイキン-4 受容体αに対するヒト化モノクローナル抗体であるデュピルマブ(dupilumab)は,アトピー性皮膚炎のようなアトピー性またはアレルギー性の疾患の重要なドライバー因子である可能性のある 2 型サイトカインのインターロイキン-4 とインターロイキン-13 のシグナル伝達を阻害する.

方 法

同一デザインの 2 件の第 3 相無作為化プラセボ対照試験(SOLO 1 試験,SOLO 2 試験)において,外用治療では十分なコントロールが得られない中等症~重症のアトピー性皮膚炎を有する成人を登録した.患者を,デュピルマブ(300 mg)を週 1 回皮下投与する群,プラセボを週 1 回皮下投与する群,同量のデュピルマブをプラセボと隔週で交互に皮下投与する群に,1:1:1 の割合で無作為に割り付け,16 週間投与した.主要評価項目は,16 週の時点で,研究者による包括的評価(IGA)スコアが 0 または 1(消失またはほぼ消失)で,かつベースラインから 2 ポイント以上低下した患者の割合とした.

結 果

SOLO 1 試験では 671 例,SOLO 2 試験では 708 例を登録した.SOLO 1 試験では,主要評価項目はデュピルマブ隔週投与群では 85 例(38%),デュピルマブ毎週投与群では 83 例(37%)で達成されたのに対し,プラセボ群では 23 例(10%)であった(プラセボとの比較でいずれも P<0.001).SOLO 2 試験の結果も同様であり,主要評価項目は,デュピルマブ隔週投与群では 84 例(36%),デュピルマブ毎週投与群では 87 例(36%)で達成されたのに対し,プラセボ群では 20 例(8%)であった(いずれの比較も P<0.001).さらに,この 2 件の試験では,ベースラインから 16 週までに湿疹面積・重症度指数(EASI)の 75%以上の改善が報告された患者の割合は,デュピルマブの 2 群でプラセボ群よりも有意に高かった(すべての比較で P<0.001).デュピルマブは,瘙痒の軽減,不安・抑うつ症状の減少,QOL の改善など,他の臨床評価項目の改善にも関連した.注射部位反応と結膜炎の発現頻度は,デュピルマブ群でプラセボ群よりも高かった.

結 論

アトピー性皮膚炎の患者を対象とした同一デザインの 2 件の第 3 相試験で,デュピルマブは,プラセボと比較して,瘙痒,不安・抑うつ症状,QOL といった,アトピー性皮膚炎の徴候・症状を改善した.デュピルマブの長期的な有効性と安全性を評価するには,より長期の試験が必要である.(Sanofi 社,Regeneron Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.SOLO 1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02277743,SOLO 2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02277769)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 2335 - 48. )