The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 23, 2017 Vol. 376 No. 12

ニジェールにおける低コストの耐熱性経口ロタウイルスワクチンの有効性
Efficacy of a Low-Cost, Heat-Stable Oral Rotavirus Vaccine in Niger

S. Isanaka and Others

背景

毎年,世界中の 5 歳未満児における下痢による死亡の約 37%はロタウイルス胃腸炎が原因であり,サハラ以南のアフリカでとくに多くみられる.

方 法

ニジェールで,経口投与する 5 価ウシロタウイルス生ワクチン(BRV-PV,インド血清研究所)の重症ロタウイルス胃腸炎に対する予防効果を評価する無作為化プラセボ対照試験を行った.健康な乳児に,ワクチンまたはプラセボを生後 6 週,10 週,14 週の時点で 3 回接種した.胃腸炎エピソードは能動的サーベイランスと受動的サーベイランスによって確認し,Vesikari スケール(0~20 で,スコアが高いほど重症であることを示す)を用いて重症度を判定した.主要エンドポイントは,3 回目の接種後 28 日目以降に検査で確認された重症ロタウイルス胃腸炎(Vesikari スコア≧11)の初回エピソードに対する,ワクチン 3 回接種のプラセボとの比較における有効性とした.

結 果

per-protocol 解析の対象 3,508 例のうち,重症ロタウイルス胃腸炎はワクチン群 31 例とプラセボ群 87 例に確認され(それぞれ 100 人年あたり 2.14 例,6.44 例),ワクチン有効率は 66.7%(95%信頼区間 [CI] 49.9~77.9)であった.intention-to-treat 解析でも同程度の有効性が認められ,ワクチン有効率は 69.1%(95% CI 55.0~78.7)であった.有害事象のリスクはワクチン群 68.7%,プラセボ群 67.2%で群間に有意差は認められず,重篤な有害事象のリスクにも有意差は認められなかった(ワクチン群 8.3%,プラセボ群 9.1%).死亡数はワクチン群 27 例,プラセボ群 22 例であった.腸重積が確認された例はなかった.

結 論

ニジェールの乳児において,経口ロタウイルスワクチン BRV-PV の 3 回接種による重症ロタウイルス胃腸炎に対する有効率は 66.7%であった.(国境なき医師団オペレーションセンター,カブリ財団から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02145000)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 1121 - 30. )