The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 4, 2018 Vol. 378 No. 1

痙性上肢麻痺に対する対側第 7 頸椎神経移行術の試験
Trial of Contralateral Seventh Cervical Nerve Transfer for Spastic Arm Paralysis

M.-X. Zheng and Others

背景

大脳半球損傷による痙性四肢麻痺は,長期にわたる障害をもたらす可能性がある.慢性脳障害による痙性上肢麻痺患者において,対側第 7 頸椎(C7)神経を非麻痺側から麻痺側に移植することの効果を検討した.

方 法

片側上肢麻痺を 5 年以上有する患者 36 例を,C7 神経移行術とリハビリテーションを行う群(18 例)と,リハビリテーションのみを行う群(18 例)に無作為に割り付けた.Fugl–Meyer 上肢機能尺度(0~66 で,スコアが高いほど機能が良好であることを示す)の総スコアのベースラインから 12 ヵ月の時点までの変化量を主要評価項目とした.

結 果

麻痺側上肢の Fugl–Meyer スコアの上昇の平均は,手術群が 17.7,対照群が 2.6 であった(差 15.1,95%信頼区間 12.2~17.9,P<0.001).修正 Ashworth 尺度(5 関節をそれぞれ 0~5 で評価し,スコアが高いほど痙縮が重度であることを示す)で評価した痙縮の改善に関して,群間差が最小であったのは母指であり,手術群では 2 単位改善が 6 例,1 単位改善が 9 例,変化なしが 3 例であったのに対し,対照群ではそれぞれ 1 例,6 例,7 例であった(P=0.02).経頭蓋磁気刺激法や機能イメージングにより,同側脳半球と麻痺側上肢との結合が示された.ドナー神経を移植した側の手の筋力,触覚閾値,2 点識別に,ベースラインから 12 ヵ月の時点で有意差は認められなかった.

結 論

慢性脳障害による片側上肢麻痺を 5 年以上有する患者を対象とした単一施設試験において,C7 神経の非麻痺側上肢から麻痺側上肢への移行は,リハビリテーション単独と比較して,12 ヵ月の期間では機能が大きく改善し,痙縮が減少することに関連した.同側大脳半球と麻痺側の手に生理的結合が生じた.(中国国家自然科学基金委員会ほかから助成を受けた.Chinese Clinical Trial Registry 登録番号 13004466)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 22 - 34. )