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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 3, 2009
Vol. 361 No. 23

ORIGINAL ARTICLE

  • タイにおける HIV-1 感染予防ワクチンレジメン
    Vaccine Regimen to Prevent HIV-1 Infection in Thailand

    HIV の新規感染者が一日に 7,000 人を超える中,HIV 予防ワクチンが強く望まれている.タイの 16,000 人を超える異性愛者の大規模集団を対象としたこの試験では,抗 HIV ワクチンレジメンにより若干の感染予防効果が認められたが,ワクチン接種後に感染が確認された例ではウイルス量や CD4+細胞数への効果は認められなかった.

  • ボリューム CT で検出された肺結節の管理
    Management of Lung Nodules Detected by Volume CT Scanning

    CT スクリーニングによって肺癌による死亡率が低下するかどうかを検討するため,肺癌リスクの高い参加者を対象に試験を行った.体積の測定値と体積倍加時間を用いて,1 年目,2 年目,4 年目に行った CT 検査で検出された非石灰化肺結節を評価した.この体積計測に基づく方法では,ベースラインの結果が陰性でそれ以降に CT で肺癌が発見される確率は,1 年後で 1/1,000,2 年後で 3/1,000 であることが示された.

  • HIV-1 の初回治療としてのアバカビル+ラミブジンとテノホビル+エムトリシタビンの比較
    Abacavir-Lamivudine versus Tenofovir-Emtricitabine for Initial HIV-1 Therapy

    この前向き試験では,固定用量で 1 日 1 回投与するヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の 2 つの組合せを比較した.スクリーニング時にヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)RNA 量が 100,000 コピー/mL 以上であった患者は,テノホビル DF+エムトリシタビンに割り付けられた患者のほうが,アバカビル+ラミブジンに割り付けられた患者よりも,ウイルス学的失敗率が有意に低かった.これらの結果により,HIV-1 感染の初回治療に関する現行の診療とガイドラインが変更される可能性がある.

  • 進行心不全に対する連続流左心補助人工心臓
    Continuous-Flow Left Ventricular Assist for Advanced Heart Failure

    この有効性比較試験では,心臓移植の対象とならない進行心不全患者を対象に,連続流左心補助人工心臓と拍動流人工心臓の臨床転帰を比較した.臨床転帰は連続流人工心臓のほうが良好であったが,この人工心臓はまだ米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けていない.

SPECIAL ARTICLE

  • 米国における肥満と喫煙が平均余命に及ぼす影響を予測する
    Forecasting the Effects of Obesity and Smoking on U.S. Life Expectancy

    全米調査データから,著者らは,今後 10 年間で,肥満の増加が米国民の健康に及ぼす有害な影響が,喫煙の減少による有益性を上回ると予測している.また,2020 年までに喫煙と肥満がなくなれば,18 歳集団の平均余命は約 4 年延長すると予測している.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 僧帽弁逸脱症に対する僧帽弁形成術
    Mitral-Valve Repair for Mitral-Valve Prolapse

    55 歳の男性が,全収縮期雑音が次第に強まったため受診し,重度の僧帽弁逆流を伴う僧帽弁逸脱症と診断された.症状はないが,軽度左室機能低下と軽度の左室肥大が認められた.僧帽弁形成術が推奨されている.僧帽弁形成術は僧帽弁置換術より生存率が良好な場合があるが,僧帽弁逆流が再発する可能性がある.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 妊娠後期のクリーゼ
    A Crisis in Late Pregnancy

    妊娠 36 週で合併症のない 31 歳の女性が,両側頭部に激しい痛みが生じ,次第に息切れがみられるようになったため救急部を受診した.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 低炭水化物食に関する一考察
    A Look at the Low-Carbohydrate Diet

    高脂肪,高蛋白,低炭水化物食を与えたマウスに,従来の心血管危険因子と関連しないアテローム性動脈硬化が認められた.