The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 8, 2001 Vol. 344 No. 6

急性中耳炎に対する肺炎球菌結合ワクチンの有効性
Efficacy of a Pneumococcal Conjugate Vaccine against Acute Otitis Media

J. ESKOLA AND OTHERS

背景

耳の感染症は生後 2 年間にかかる疾病の一般的な原因の一つである.新しく開発された結合ワクチンによって,Streptococcus pneumoniae(肺炎連鎖球菌)による急性中耳炎の症例は,その大部分を予防できる可能性が出てきた.

方 法

1, 662 例の乳幼児を,肺炎球菌の 7 価の多糖体を結合したワクチンの有効性を検討する無作為二重盲検試験に組み入れた.なお,この結合ワクチンの担体タンパク質は,CRM 197 という無毒性のジフテリア毒素の類似物質である.これらの小児には,試験ワクチンまたは対照ワクチンとしての B 型肝炎ワクチンのいずれかを,生後 2 ヵ月目,4 ヵ月目,6 ヵ月目,および 12 ヵ月目に接種した.急性中耳炎の臨床診断はあらかじめ定義しておいた基準に基づいて行い,細菌学的診断は鼓膜穿刺によって採取した中耳浸出液の培養に基づいて行った.

結 果

試験に組み入れられた小児の 95.1%が試験を完了した.肺炎球菌ワクチンの接種では,局所反応が B 型肝炎ワクチンよりも多く発現したが,同時に接種した完全細胞型のジフテリア-破傷風-百日咳と Haemophilus influenzae(インフルエンザ菌)b 型(Hib)の混合ワクチンよりも少なかった.生後 6.5 ~ 24 ヵ月目までの追跡調査期間中に発生した急性中耳炎のエピソードは 2, 596 件であった.試験ワクチンの接種によって,あらゆる原因による急性中耳炎のエピソード件数は 6%減少(95%信頼区間,- 4 ~ 16%[負の値はエピソード件数が増加する可能性を示している]),中耳浸出液の培養で確認された肺炎球菌による急性中耳炎のエピソード件数は 34%減少(95%信頼区間,21 ~ 45%),試験ワクチンに含有されていた血清型による急性中耳炎のエピソード件数は 57%減少した(95%信頼区間,44 ~ 67%).また,試験ワクチンに含有されていた血清型と交差反応性を有する血清型に起因した急性中耳炎のエピソード件数は 51%減少したのに対して,その他のすべての血清型による急性中耳炎のエピソード件数は 33%増加した.

結 論

肺炎球菌に対する 7 価の多糖体- CRM 197 結合ワクチンは,このワクチンに含有されている血清型によって引き起こされる急性中耳炎の予防において安全性が高く,期待通りの効果を有している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 403 - 9. )