The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 8, 2001 Vol. 344 No. 6

メタノール中毒の治療薬としてのフォメピゾール
Fomepizole for the Treatment of Methanol Poisoning

J. BRENT, K. MCMARTIN, S. PHILLIPS, C. AARON, AND K. KULIG

背景

メタノール中毒は,代謝性アシドーシス,失明,さらに死亡にいたることがある.このメタノール中毒の治療の基本はアルコール脱水素酵素の阻害である.われわれは,メタノール中毒の患者の治療において,アルコール脱水素酵素の阻害薬であるフォメピゾール(Fomepizole)を評価するために,多施設共同試験を実施した.

方 法

メタノール中毒にて本試験の参加施設に受診してきた 11 例の連続した患者に,フォメピゾールを静脈内投与した.血漿中の蟻酸およびフォメピゾールの測定とともに,臨床症状の診察および臨床検査を経時的に行った.転帰として測定した項目は,視力の保存状態,代謝性アシドーシスの消退,蟻酸の生成阻害,試験の投与レジメンによって得られる血漿中フォメピゾール濃度の治療濃度への到達状況,残存している疾病または障害,および死亡であった.

結 果

血漿中のフォメピゾール濃度は 8 例の患者で検出可能であったが,これらの濃度は動脈血 pH の初回検査の値と密接に相関していた(r = 0.92,p < 0.001).すべての患者において,フォメピゾールによる治療に応答し,血漿中の蟻酸濃度の低下と,代謝性アシドーシスの改善が認められた.命をとりとめた患者は 9 例であった.7 例の患者には,最初,視覚異常が認められたが,試験終了時に生存していた患者にはメタノール中毒に関連した視覚障害はまったく認められなかった.フォメピゾールの有害作用はほとんど認められなかった.死亡した 2 例の患者には,試験組み入れ時にすでに無酸素性の脳損傷が存在していた.治療中のメタノールの消失半減期は 54 時間であった.

結 論

フォメピゾールは,メタノール中毒の治療において,安全かつ有効であると考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 424 - 9. )