The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 4, 2001 Vol. 345 No. 14

急性冠症候群のマーカーとしての妊娠関連血漿蛋白 A
Pregnancy-Associated Plasma Protein A as a Marker of Acute Coronary Syndromes

A. BAYES-GENIS AND OTHERS

背景

アテローム性動脈硬化プラークの不安定性を示す体内循環性のマーカーは,不安定狭心症や急性心筋梗塞において診断的価値をもっている可能性がある.われわれは,潜在的にアテローム性動脈硬化を促進するメタロプロテイナーゼである妊娠関連血漿蛋白 A(PAPP-A)について,急性冠症候群の一つのマーカーとしての評価を行った.

方 法

心臓系の原因によって突然死した 8 例の患者から採取した,原因と疑われた 8 個の不安定冠動脈プラークと 4 個の安定プラークについて,PAPP-A の発現の程度を調べた.さらに,PAPP-A の循環血中濃度,C 反応性蛋白(CRP),およびインスリン様増殖因子 I(IGH-I)についても,急性心筋梗塞の患者 17 例,不安定狭心症の患者 20 例,安定狭心症の患者 19 例,およびアテローム性動脈硬化症が認められない対照患者 13 例において測定した.

結 果

PAPP-A は,破裂および侵食した不安定プラークのプラーク細胞と細胞外基質に豊富に発現していたが,安定プラークには発現していなかった.PAPP-A の循環血中濃度は,安定狭心症の患者と対照患者よりも,不安定狭心症や急性心筋梗塞の患者で有意に高かった(p<0.001).PAPP-A の閾値を 10 mIU / L とすると,急性冠症候群の患者を感度 89.2%,特異度 81.3%で同定することができた.PAPP-A の濃度は,C 反応性蛋白と遊離 IGF-I の濃度と相関していたが,心筋損傷のマーカー(トロポニン I およびクレアチンキナーゼの MB アイソフォーム)との相関関係はなかった.

結 論

PAPP-A は不安定プラークに存在しており,その循環血中濃度は急性冠症候群で上昇している;このような濃度の上昇は,アテローム性動脈硬化プラークの不安定性を反映しているのかもしれない.PAPP-A は,不安定狭心症および急性心筋梗塞の新しいマーカーの候補である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 1022 - 9. )