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August 2, 2001 Vol. 345 No. 5

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側頭葉てんかんに対する手術の無作為比較対照試験
A Randomized, Controlled Trial of Surgery for Temporal-Lobe Epilepsy

S. WIEBE, W.T. BLUME, J.P. GIRVIN, AND M. ELIASZIW

背景

てんかんに対する手術の無作為試験は,実行可能な試験の計画とその施行に困難が伴うために,これまで行われてこなかった.そのため,手術の治療的有用性を裏付けるデータが得られていないので,てんかんの患者に手術を強く勧めることはできない.われわれは,側頭葉てんかんの手術の有効性および安全性を評価するために,無作為比較対照試験を実施した.

方 法

側頭葉てんかんの患者 80 例を,手術(40 例)または抗てんかん薬による 1 年間の治療(40 例)に無作為に割付けた.最適な薬物療法と主要転帰については,てんかんの専門医が,患者の治療割付けを知らない状態で評価した.主要転帰は自己および周囲の状況についての意識障害発作がないこととした.副次的転帰には,発作の発現頻度と程度,QOL,障害,および死亡を設定した.

結 果

1 年目の時点において意識障害発作がない患者の累積割合は,手術群では 58%,薬物療法群では 8%であった(p<0.001).さらに,手術群の患者は,薬物療法群の患者と比較して,意識障害発作の発現頻度が低く,QOL も有意に改善した(どちらの比較も p<0.001).4 例(10%)に手術による有害作用が認められた.薬物療法群で 1 例の患者が死亡した.

結 論

側頭葉てんかんでは,長期の薬物療法よりも手術が優れている.てんかんの手術の無作為試験は実施可能であり,それぞれの治療の効果の正確な評価をもたらすと考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 311 - 8. )