April 18, 2002 Vol. 346 No. 16
ピッツバーグの学童におけるエリスロマイシン耐性 A 群連鎖球菌
Erythromycin-Resistant Group A Streptococci in Schoolchildren in Pittsburgh
J.M. MARTIN, M. GREEN, K.A. BARBADORA, AND E.R. WALD
エリスロマイシンに対する耐性は,米国内の A 群連鎖球菌においては非常にまれであった.
経時的研究の一部として,われわれは,ピッツバーグの 1 つの学校において幼稚園児から 8 年生(中学 2 年生)までの小児から,毎月 2 回,および新たな気道疾患がある場合に監視用咽頭培養を行った.エリスロマイシンとクリンダマイシン耐性のスクリーニングは,まず Kirby–Bauer ディスク拡散試験を用いて行った.耐性分離株の最小発育阻止濃度は,E test 法によって決定した.二重ディスク拡散試験を用いて耐性表現型を特徴付け,ポリメラーゼ連鎖反応法を用いて耐性遺伝子を同定した.菌株の分子的類似性は,フィールド反転ゲル電気泳動法によって決定した.
2000 年 10 月~2001 年 5 月のあいだに小児 100 例から全 1,794 件の咽頭培養を行い,そのうち小児 60 例からの 318 培養(18%)は A 群連鎖球菌陽性であった.これらの分離株の 48%(318 培養中 153 培養)はエリスロマイシン耐性であった.クリンダマイシン耐性のものはなかった.二重ディスク拡散試験の結果は,エリスロマイシン耐性の M 表現型の存在を示唆した.分子タイピングは,この流行は A 群連鎖球菌の単一の株に由来することを示唆した.2001 年の 4 月~6 月のあいだに,この地域から得られた A 群連鎖球菌分離株から無作為に選択された 100 株中 38 株はエリスロマイシン耐性であった.
学童を対象とした経時的研究の期間中の 2001 年 1 月に,われわれは,咽頭から単離した A 群連鎖球菌株においてエリスロマイシン耐性株の出現を検出した.このクローン性の集団発生は,より広い地域社会にも影響した.