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January 24, 2002 Vol. 346 No. 4

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高齢びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫患者に対する CHOP 化学療法+リツキシマブの併用療法と CHOP 化学療法単独との比較
CHOP Chemotherapy plus Rituximab Compared with CHOP Alone in Elderly Patients with Diffuse Large-B-Cell Lymphoma

B. COIFFIER AND OTHERS

背景

びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫患者に対する標準的治療法は,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾン(CHOP)である.CD20 B 細胞抗原に対するモノクローナルキメラ抗体であるリツキシマブ(rituximab)は,びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫に対して治療効果がある.われわれは,びまん性大細胞型 B リンパ腫の高齢患者に対する CHOP 化学療法+リツキシマブ併用療法と CHOP 単独療法とを比較する無作為試験を実施した.

方 法

治療歴のない 60~80 歳のびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫患者を,3 週間ごとに CHOP のみを 8 サイクル投与する群(197 例)と,8 サイクルの CHOP と各サイクルの初日にリツキシマブを併用投与する群(202 例)に無作為に割付けた.

結 果

完全寛解率は,CHOP+リツキシマブ群において CHOP 単独群に比較して有意に高かった(76% 対 63%,p=0.005).中央値 2 年間の追跡調査において,無病期間と総生存期間は,CHOP+リツキシマブ群で有意に長かった(それぞれ p<0.001,p=0.007).標準的な CHOP 化学療法にリツキシマブを加えることにより,治療が不成功となるリスク(リスク比,0.58[ 95%信頼区間,0.44~0.77 ])および死亡リスク(0.64[ 0.45~0.89 ])は有意に低下した.CHOP+リツキシマブ併用により,臨床的に関連のある毒性は有意には増加しなかった.

結 論

びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫の高齢患者では,CHOP 療法にリツキシマブを加えることにより,毒性の臨床的に有意な増加を伴わずに,完全寛解率が上昇し,無病期間・総生存期間が延長する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 235 - 42. )