The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 31, 2002 Vol. 346 No. 5

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

連日血液透析と急性腎不全の転帰
Daily Hemodialysis and the Outcome of Acute Renal Failure

H. SCHIFFL, S.M. LANG, AND R. FISCHER

背景

間欠的な血液透析は,急性腎不全患者の血液浄化療法として広く使用されているが,適切な透析量は決定されていない.われわれは前向き研究を行い,連日行う間欠的血液透析が急性腎不全患者の生存に及ぼす影響を,従来の(隔日で行う)間欠的血液透析と比較検討した.

方 法

急性腎不全患者 160 例を,連日血液透析または隔日血液透析に割付けた.生存率をこの研究の主要エンドポイントとした.急性腎不全の期間および治療に関連した合併症発症率を副次的エンドポイントとした.

結 果

これら 2 つの治療群は,年齢,性別,急性腎不全の原因と重症度,内科的または外科的集中治療状況,ならびに急性生理学・年齢・長期健康評価(Acute Physiology, Age, and Chronic Health Evaluation)スコアが同様であった.連日血液透析群の結果では,隔日血液透析群に比べて,尿毒症がよりよくコントロールされ,血液透析中に生じる低血圧エピソードが少なく,急性腎不全の消退が迅速であった(平均[±SD]は 9±2 日 対 16±6 日,p=0.001).intention-to-treat 解析による死亡率は,連日透析群では 28%,隔日透析群では 46%であった(p=0.01).多変量回帰分析では,血液透析頻度が低いこと(連日に対して隔日)が,死亡の独立リスク因子であった.

結 論

血液浄化療法が必要な急性腎不全の危篤患者における高い死亡率は,併発状態および尿毒症による他の器官系への障害と関連がある.集中的な血液透析は,血行力学的に誘導される病的状態を増すことなく,死亡率を低下させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 305 - 10. )