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July 11, 2002 Vol. 347 No. 2

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再発性糸球体腎炎による腎同種移植片喪失のリスク
Risk of Renal Allograft Loss from Recurrent Glomerulonephritis

E.M. BRIGANTI, G.R. RUSS, J.J. MCNEIL, R.C. ATKINS, AND S.J. CHADBAN

背景

再発性糸球体腎炎は,腎移植片喪失の原因としてよく知られている.しかし,この合併症の発症率は,あまり明らかにされていない.われわれは,糸球体腎炎の再発による同種移植片喪失の発生率,時期,および相対的重要性を決定した.

方 法

生検により確定された糸球体腎炎患者合計 1,505 例が,1988~97 年のあいだにオーストラリアで最初の腎移植を受けた.再発は腎生検により確認した.Kaplan-Meier 法を用いて,再発性糸球体腎炎による移植腎の腎不全の 10 年発生率を推定し,この発生率を,急性拒絶反応,慢性拒絶反応,同種移植片が機能する状態での死亡の各発生率と比較した.レシピエントとドナーの特性が,再発予測因子の候補として検討された.

結 果

糸球体腎炎の再発による同種移植片喪失はレシピエント 52 例に生じ,10 年発生率は 8.4%であった(95%信頼区間 5.9~12.0).糸球体腎炎の種類,レシピエントの性別,パネル反応抗体の最高濃度が,再発リスクの独立した予測因子であった.10 年後では,再発は,慢性拒絶反応と,移植片が機能する状態での死亡に次いで,3 番目に頻度の高い移植片喪失の原因であった.再発の影響があるにもかかわらず,移植片喪失の 10 年全発生率は,生検により確定された糸球体腎炎を有する移植レシピエントと,他の原因による腎不全の移植レシピエントとでほぼ同じであった(45.4%[95%信頼区間 40.9~50.2]対 45.8%[95%信頼区間 42.3~49.3],P=0.09).

結 論

再発は,糸球体腎炎による腎不全患者の同種移植片喪失の重要な原因である.移植方法の変更を必要とするような再発の危険因子は確認されなかった.しかしいまでは,腎移植のレシピエントとなる可能性のある患者に,リスクの正確な推定値を示すことができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 103 - 9. )