The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 17, 2002 Vol. 347 No. 16

早期乳癌に対する乳房温存術と根治的乳房切除を比較する無作為試験の20 年追跡調査
Twenty-Year Follow-up of a Randomized Study Comparing Breast-Conserving Surgery with Radical Mastectomy for Early Breast Cancer

U. VERONESI AND OTHERS

背景

根治的(ハルステッド)乳房切除と乳房温存術の有効性を比較するための無作為試験に組み入れられた女性について 20 年追跡調査を行った.

方 法

1973~80 年に,直径 2 cm 以下の乳癌を有する女性 701 例を根治的乳房切除(349 例)あるいは乳房温存術(扇状切除術)後に同側の乳房組織への放射線療法を施す治療(352 例)のいずれかに無作為に割付けた.1976 年以降,腋窩リンパ節が陽性であった両群の患者には,シクロホスファミド,メトトレキサート,フルオロウラシルを用いた補助化学療法をも行った.

結 果

乳房温存療法群の患者 30 例に,同側の乳房に腫瘍の再発がみられ,根治的乳房切除群患者 8 例に,局所の再発がみられた(P<0.001).これらイベントの粗累積発生率は,20 年後でそれぞれ 8.8%と 2.3%であった.一方,対側乳癌,遠隔転移,あるいは二次原発癌の発生率については両群間に有意差はみられなかった.中央値 20 年の追跡調査後,全死因死亡率は乳癌温存術群では 41.7%,根治的乳房切除群では 41.2%であった(P=1.0).乳癌による死亡率は,それぞれ 26.1%と 24.3%であった(P=0.8).

結 論

乳房温存術を受けた女性の長期生存率は,根治的乳房切除を受けた女性の生存率と同程度であった.したがって,乳房温存術は,比較的小さな乳癌を有する女性に最適な治療法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1227 - 32. )