The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 30, 2003 Vol. 348 No. 5

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

社会と天然痘の脅威
The Public and the Smallpox Threat

R.J. Blendon and Others

背景

天然痘が関与する生物テロによる攻撃の可能性は,どのような国家的予防措置を講じるべきかに関する議論を引き起している.米国国民の天然痘に関する知識と予防措置に関する見解は不明である.

方 法

無作為ダイアル方式により選抜した成人 1,006 名の全米調査を行った.回答者に,天然痘ウイルスとそのワクチンに関する知識と意見,天然痘が関与した生物テロによる攻撃に対する予想される反応,および多数の提案されている州の非常権限について尋ねた.

結 果

回答者の大半は,天然痘ウイルスおよび天然痘ワクチン接種に関する多くの誤った考えをもっていた.大半が天然痘に対する有効な治療法があり,過去 5 年間に天然痘の症例があり,全米国民にワクチン接種を行うために十分な天然痘ワクチンはないと考えていた.30%の人は,過去にワクチン接種を受けていれば天然痘を予防できると考えていた.回答者の大半は,ワクチン接種を受けたいと述べた;しかし,医師にワクチン接種を断られてもワクチン接種を受けたいと答えたのはわずか 21%であった.州の非常権限案のいくつかに関しては,回答者から強力な支持があった.

結 論

この結果は,天然痘に関する大衆教育の必要性を示唆している.またこれらのデータは,現時点で個々の医師にワクチン接種を行うことの妥当性に関して,医学界で議論することの重要性を指摘している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 426 - 32. )