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October 9, 2003 Vol. 349 No. 15

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21 トリソミーと 18 トリソミーの妊娠第 1 三半期スクリーニング
First-Trimester Screening for Trisomies 21 and 18

R. Wapner and Others

背景

異数性妊娠のスクリーニングは妊娠 15 週目以後に日常的に行われ,感度は約 65%,偽陽性率は 5%である.妊娠第 1 三半期の異数体マーカーが開発されてきたが,それらの併用使用は臨床診療で十分に評価されていない.

方 法

母体年齢,遊離ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ と妊娠関連血漿蛋白 A の母体濃度,超音波検査による胎児項部透過性に基づき,妊娠 74~97 日目の患者において 21 トリソミーと 18 トリソミーのスクリーニングを行う多施設共同研究を実施した.スクリーニング結果は,算定リスクが 270 妊娠中 1 例以上の場合に 21 トリソミー陽性,リスクが 150 妊娠中 1 例以上の場合に 18 トリソミー陽性であると見なした.

結 果

単胎児妊娠患者 8,514 例でスクリーニングを完了した.このスクリーニング法により,ダウン症候群 61 例の 85.2%を同定することができ(95%信頼区間 73.8~93.0),偽陽性率は 9.4%であった(95%信頼区間 8.8~10.1).偽陽性率が 5%の場合,検出率は 78.7%であった(95%信頼区間 66.3~88.1).18 トリソミー 11 症例では症例の 90.9%を同定することができ(95%信頼区間 58.7~99.8),偽陽性率は 2%であった.35 歳以上の女性では,スクリーニングにより 21 トリソミーの胎児の 89.8%が偽陽性率 15.2%で同定され,18 トリソミーの胎児は 100%同定された.

結 論

母体年齢,遊離ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ と妊娠関連血漿蛋白 A の母体濃度,胎児項部透過性測定に基づいた,21 トリソミーと 18 トリソミーの妊娠第 1 三半期スクリーニングは,感度が高く,偽陽性率も許容できる範囲である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 1405 - 13. )