The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 31, 2003 Vol. 349 No. 5

パリカルシトールまたはカルシトリオールによる治療を併用する血液透析患者の生存率
Survival of Patients Undergoing Hemodialysis with Paricalcitol or Calcitriol Therapy

M. Teng and Others

背景

二次性副甲状腺機能亢進症に対する注射用ビタミン D 治療後のカルシウム値およびリン値の上昇は,血管障害を促進し,長期血液透析患者の死亡を早める可能性がある.新規のビタミン D 類似体パリカルシトール(paricalcitol)は,注射用ビタミン D の標準薬剤カルシトリオールと比較して,血清カルシウム値および血清リン値の上昇が少ないと考えられている.

方 法

1999~2001 年にパリカルシトール(患者 29,021 例)またはカルシトリオール(患者 38,378 例)による治療を開始した,長期血液透析患者の 36 ヵ月生存率を比較する,後ろ向きコホート研究を行った.補正前後の生存率を算出し,層別解析を行った.治療法を切り替えた患者 16,483 例のサブグループの評価も行った.

結 果

パリカルシトールによる治療を受けた患者の死亡率は 3,471/19,031 人-年(0.180/人-年)であったのに対し,カルシトリオールによる治療を受けた患者の死亡率は 6,805/30,417 人-年(0.223/人-年)であった(P<0.001).生存率の差は,12 ヵ月後で有意であり,経時的に増加した(P<0.001).補正後の解析では,死亡率は,パリカルシトールによる治療を受けた患者でカルシトリオールによる治療を受けた患者より 16%低かった(95%信頼区間 10~21%).生存に関する利益の有意性は解析した 42 層中 28 層において明らかで,カルシトリオールが有利であった層はなかった.12 ヵ月目のカルシウム値およびリン値は,パリカルシトール群ではそれぞれ 6.7%および 11.9%増加したのに対し,カルシトリオール群ではそれぞれ 8.2%および 13.9%増加した(P<0.001).2 年生存率は,カルシトリオールからパリカルシトールに転薬した患者では 73%であったのに対し,パリカルシトールからカルシトリオールに転薬した患者では 64%であった(P=0.04).

結 論

長期血液透析と共にパリカルシトール治療を受ける患者は,カルシトリオール治療を受ける患者よりも生存率が有意に高いと考えられる.これらの知見を確認するために前向き無作為試験が必須である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 446 - 56. )