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June 3, 2004 Vol. 350 No. 23

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転移性大腸癌に対するベバシズマブ+イリノテカン,フルオロウラシル,ロイコボリン
Bevacizumab plus Irinotecan, Fluorouracil, and Leucovorin for Metastatic Colorectal Cancer

H. Hurwitz and Others

背景

ベバシズマブは,血管内皮増殖因子に対するモノクローナル抗体であり,前臨床試験および臨床試験では,とくに化学療法と組み合せることで,転移性大腸癌に対し有望な活性を示している.

方 法

治療歴のない転移性大腸癌患者 813 例のうち,402 例をイリノテカン,フルオロウラシル(ボーラス投与),ロイコボリン(IFL)+ベバシズマブ(2 週ごとに 5 mg/kg [体重])投与に,411 例を IFL+プラセボ投与に無作為に割付けた.主要エンドポイントは全生存とした.副次的エンドポイントは,無進行生存,奏効率,奏効期間,安全性,QOL とした.

結 果

生存期間の中央値は,IFL+ベバシズマブ群で 20.3 ヵ月,IFL+プラセボ群で 15.6 ヵ月,死亡に対するハザード比は 0.66 であった(P<0.001).無進行生存期間の中央値は,IFL+ベバシズマブ群で 10.6 ヵ月,IFL+プラセボ群で 6.2 ヵ月であった(疾患の進行に対するハザード比 0.54;P<0.001).奏効率はそれぞれ,44.8%と 34.8%であった(P=0.004).奏効期間の中央値は,IFL+ベバシズマブ群で 10.4 ヵ月,IFL+プラセボ群で 7.1 ヵ月であった(進行に対するハザード比 0.62;P=0.001).グレード 3 の高血圧は,IFL+ベバシズマブ治療時のほうが IFL+プラセボ治療時よりも多く認められたが(11.0% 対 2.3%),容易に管理することができた.

結 論

フルオロウラシルを基本とした併用化学療法にベバシズマブを加えることは,転移性大腸癌患者の生存に,統計学的に有意で臨床的に重要な改善をもたらす.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 2335 - 42. )