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January 22, 2004 Vol. 350 No. 4

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西半球におけるヒトでのサル痘の検出
The Detection of Monkeypox in Humans in the Western Hemisphere

K.D. Reed and Others

背景

2003 年 5~6 月,罹患したペットのプレーリードッグに接触した米国中西部の人々のあいだで,水疱膿疱性皮疹を伴う熱性疾患の集団発生が起った.プレーリードッグ は,共通の販売業者を介して入手されていた.細菌性またはウイルス性病原体の人獣共通伝播が疑われた.

方 法

医療記録を見直し,問診と検査を行い,患者 11 例とプレーリードッグ 1 匹から分析用に血液標本および組織標本を採取した.病原体を同定するため,組織病理学的検査,電子顕微鏡検査,微生物の培養,分子解析を行った.

結 果

今回の集団発生で評価されたウィスコンシン州における初期の症例は,3~43 歳の男性 5 例と女性 6 例で生じた.全患者が,皮疹を伴う熱性疾患を発症する以前に,罹患したプレーリードッグと直接接触したことを報告した.患者 4 例の皮膚病巣組織において,ポックスウイルス感染を示す免疫組織化学的あるいは超微細構造上の所見がみられた.患者とプレーリードッグから採取した 7 標本の細胞培養で,サル痘ウイルスが検出された.ウイルスは,患者 6 例とプレーリードッグの組織や分離物において,サル痘ウイルスに特異的な DNA 配列が検出されたことで同定された.疫学調査により,プレーリードッグが,西アフリカから米国に最近輸入された 1 種類以上の齧歯類に曝露していたことが示唆された.

結 論

今回の調査は,西半球におけるヒトからのサル痘ウイルスの単離および同定を実証するものである.ヒトでの感染は,ペットとして飼育または販売されていた,罹患したプレーリードッグと直接接触したことに関連していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 342 - 50. )