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October 21, 2004 Vol. 351 No. 17

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直腸癌に対する術前化学放射線療法と術後化学放射線療法の比較
Preoperative versus Postoperative Chemoradiotherapy for Rectal Cancer

R. Sauer and Others

背景

術後化学放射線療法は,局所進行直腸癌の患者に推奨されている標準療法である.近年,術前化学放射線療法に関する有望な結果が報告されている.局所進行直腸癌に対する,術前化学放射線療法と術後化学放射線療法を比較した.

方 法

臨床病期が T3 または T4,あるいはリンパ節転移が陽性の患者を,術前か術後に化学放射線療法を受けるよう無作為に割付けた.術前治療は,5,040 cGy の放射線を 1 日 180 cGy ずつ分割して 1 週間に 5 日照射し,放射線療法の 1 週目と 5 週目に,1 日当り 1,000 mg/m2 体表面積のフルオロウラシルを 120 時間連続して静脈内投与した.手術は,化学放射線療法終了から 6 週後に行った.手術の 1 ヵ月後,フルオロウラシル(500 mg/m2/日)の 5 日間のサイクルを 4 回投与した.術後治療群の化学放射線療法の内容は,540 cGy の強化照射以外,術前治療群と同じであった.主要エンドポイントは全生存率とした.

結 果

421 例を術前化学放射線療法に,402 例を術後化学放射線療法に無作為に割付けた.5 年全生存率はそれぞれ 76%と 74%であった(P=0.80).5 年間の累積局所再発率は,術前治療群で 6%,術後治療群で 13%であった(P=0.006).グレード 3 または 4 の急性毒性作用は,術前治療群患者の 27%で発生したのに対し,術後治療群患者では 40%であった(P=0.001).長期毒性作用の発生率は,それぞれ 14%と 24%であった(P=0.01).

結 論

術前化学放射線療法は,術後化学放射線療法と比較して局所の管理を改善し,毒性の軽減と関連したが,全生存率は改善しなかった.

(紛失)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1731 - 40. )