October 28, 2004 Vol. 351 No. 18
インターンの 1 週間の勤務時間の短縮が睡眠と注意力の欠如に与える影響
Effect of Reducing Internsユ Weekly Work Hours on Sleep and Attentional Failures
S.W. Lockley and Others
卒後臨床研修における,長時間(24 時間以上)の勤務シフトが及ぼす生理的影響に関する知識は限られている.1 年目のレジデント(卒後 1 年目)の勤務時間,睡眠,注意力の欠如について,長時間勤務シフトを含む伝統的なローテーション・スケジュールと,予定された連続勤務時間を 16 時間以内に制限した介入スケジュールとを,定量的に評価することを目的とした.
インターン 20 人を対象に,集中治療室での 3 週間のローテーション勤務 2 回(従来のスケジュールが 1 回と介入スケジュールが 1 回)について調査を行った.対象者は,毎日,睡眠日誌(sleep log,r=0.94)と勤務日誌(work log,r=0.98)を記入した.睡眠日誌の妥当性は,定期的に 1 週間の睡眠を記録した終夜睡眠ポリグラフ(72~96 時間)により,勤務日誌の妥当性は,研究スタッフの直接的観察により確認した.
従来のスケジュールでは,インターン 20 人中 17 人で勤務時間が週 80 時間を超えていた(平均 84.9 時間,範囲 74.2~92.1 時間).介入スケジュールでは,インターン全員の勤務時間が週 80 時間未満であった(平均 65.4 時間,範囲 57.6~76.3 時間).従来のスケジュールと比較して介入スケジュールでは,平均して,インターンの勤務時間は週当り 19.5 時間短く(P<0.001),睡眠時間は週当り 5.8 時間長く(P<0.001),各勤務時間前 24 時間以内における睡眠時間が長かった(P<0.001).また,当直での勤務中に注意力の欠如がみられた割合は半数未満であった(P=0.02).
インターンの集中治療室における長時間勤務シフトを減らすことで,睡眠時間が有意に増加し,夜間勤務時の注意力の欠如が有意に減少した.