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December 2, 2004 Vol. 351 No. 23

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うっ血性心不全における心房細動に対するカテーテル・アブレーション
Catheter Ablation for Atrial Fibrillation in Congestive Heart Failure

L.-F. Hsu and Others

背景

うっ血性心不全と心房細動は併発することが多く,それぞれが互いの管理と予後に悪影響を及ぼす.われわれは,心不全患者を対象に,心房細動に対するカテーテル・アブレーションが左室機能に与える効果について前向きに評価した.

方 法

うっ血性心不全で,心房細動に対するカテーテル・アブレーションを受けており,左室駆出率が 45%未満の連続した患者 58 例を検討した.対照として,心房細動に対してアブレーションを受けているがうっ血性心不全でない患者で,年齢,性別,心房細動の分類をマッチさせた患者 58 例を選出した.ベースライン時と 1, 3, 6, 12 ヵ月後に,患者の左室機能と左室径,症状スコア,運動能力,QOL を評価した.

結 果

平均(±SD)12±7 ヵ月後,うっ血性心不全患者の 78%と対照患者の 84%で洞調律が維持されていた(P=0.34)(それぞれ 69%,71%で抗不整脈薬を投与することなく洞調律が維持された).うっ血性心不全患者では,左室機能(駆出率 21±13%増加,短縮率 11±7%増加;両比較で P<0.001),左室径(拡張期径 6±6 mm 減少,収縮期径 8±7 mm 減少;それぞれ P=0.03,P<0.001),運動能力,症状,QOL に有意な改善がみられた.駆出率は,器質的な心疾患を併発していない患者(24±10%,P<0.001)とアブレーション前の心拍数の管理が十分でなかった患者(23±10%,P<0.001)だけでなく,心疾患を併発していた患者(16±14%,P<0.001)とアブレーション前の心拍数の管理が十分であった患者(17±15%,P<0.001)においても有意に改善した.

結 論

うっ血性心不全で心房細動を併発している患者では,薬物を使用せずにカテーテル・アブレーションで洞調律を回復させ,維持することにより,心機能,症状,運動能力,QOL が有意に改善する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2373 - 83. )