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December 2, 2004 Vol. 351 No. 23

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体外受精における選択的一胚移植と二胚移植の比較
Elective Single-Embryo Transfer versus Double-Embryo Transfer in in Vitro Fertilization

A. Thurin and Others

背景

体外受精では,早産と周産期死亡のリスクが上昇する.これらのリスクは,主に多胎妊娠の発生率が高いことに起因している.多胎妊娠の発生率は移植胚数に関連している.

方 法

多施設共同無作為試験を実施し,少なくとも 1 児以上が出生した妊娠の確率に関して体外受精の 2 つの方法が同等であるかを評価し,関連した多胎妊娠の発生率を比較した.36 歳未満で良質の胚を 2 個以上有する女性を,新鮮胚を 1 個移植し,生児の出生がなかった場合にはその後凍結融解胚を 1 個移植する群か,新鮮胚 2 個を 1 回移植する群に無作為に割付けた.少なくとも 1 児以上が出生した妊娠の発生率の差が,10 パーセントポイント以下の場合を同等と定義した.

結 果

少なくとも 1 児以上が出生した妊娠は,一胚移植群で 330 例中 128 例(38.8%)であったのに対し,二胚移植群では 331 例中 142 例(42.9%)であった(差 4.1 パーセントポイント,95%信頼区間 -3.4~11.6 パーセントポイント).多胎出産率はそれぞれ 0.8%と 33.1%であった(P<0.001).この結果は,生児出生率に関して 2 つの方法が同等であることを示していないが,一胚移植による生児出生率の低下が 11.6 パーセントポイントを超える可能性は低いことを示唆している.

結 論

36 歳未満の女性では,新鮮胚を 1 個移植し,その後必要であれば凍結融解胚を 1 個移植する方法により,多胎出産率が劇的に低下する.一方,生児出生率は,二胚移植の場合と比較して大きく低下することはない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2392 - 402. )