The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

March 24, 2005 Vol. 352 No. 12

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

閉塞性睡眠時無呼吸における突然死の昼夜パターン
Day-Night Pattern of Sudden Death in Obstructive Sleep Apnea

A.S. Gami and Others

背景

一般集団における心臓性突然死のリスクは,午前 6 時から正午にもっとも高くなり,午前 0 時から午前 6 時がもっとも低い.閉塞性睡眠時無呼吸は,有病率が非常に高く,神経ホルモンの異常や電気生理学的な異常を伴うため,とくに睡眠中の心臓性突然死のリスクを増大させる可能性がある.

方 法

睡眠ポリグラフ検査を受けたことがあり,1987 年 7 月~2003 年 7 月に心臓が原因で突然死した 112 例のミネソタ州住民について,睡眠ポリグラフと死亡診断書を再検討した.1 日を 4 つの時間帯に分け,閉塞性睡眠時無呼吸患者における心臓性突然死の発生率を,閉塞性睡眠時無呼吸がない人における発生率,一般集団における発生率,偶然の期待値と比較した.各時間帯において,無呼吸低呼吸指数の中央値,心臓性突然死の相対リスクを評価した.同様に,通常の睡眠・覚醒周期に関連付けて 3 分割した時間帯における心臓性突然死についても解析した.

結 果

午前 0 時から午前 6 時に心臓性突然死が発生したのは,閉塞性睡眠時無呼吸患者では 46%であったのに対し,閉塞性睡眠時無呼吸がない人では 21%(P=0.01),一般集団では 16%(P<0.001)であった.また,偶然の期待値は 25%(P<0.001)であった.午前 0 時から午前 6 時に心臓性突然死を起した人は,他の時間帯に心臓性突然死を起した人よりも無呼吸低呼吸指数が有意に高く,無呼吸低呼吸指数は,午前 0 時から午前 6 時の心臓性突然死の相対リスクに直接相関していた.閉塞性睡眠時無呼吸患者において,午前 0 時から午前 6 時の心臓性突然死の相対リスクは 2.57(95%信頼区間 1.87~3.52)であった.通常の睡眠・覚醒周期における解析結果も類似していた.

結 論

閉塞性睡眠時無呼吸患者では,心臓性突然死は睡眠時間中にもっとも多い.これは,閉塞性睡眠時無呼吸がない人や一般集団では睡眠時間中にもっとも少ないことと,著しく対照的である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1206 - 14. )