The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 10, 2005 Vol. 352 No. 10

若年小児の髄芽腫に対する術後化学療法単独治療
Treatment of Early Childhood Medulloblastoma by Postoperative Chemotherapy Alone

S. Rutkowski and Others

背景

髄芽腫の若年小児は予後が不良であり,生存児では認知障害のリスクが高い.若年小児の髄芽腫を,術後に強化化学療法単独で治療する試験を実施した.

方 法

術後,患児に 3 サイクルの経静脈化学療法(シクロホスファミド,ビンクリスチン,メトトレキサート,カルボプラチン,エトポシド)と,メトトレキサートの脳室内投与を行った.完全寛解が達成された場合に治療を終了した.白質脳症と認知障害について評価を行った.

結 果

43 例をプロトコールに従って治療した.5 年無進行生存率と全生存率(±SE)は,完全切除が行われた患児(17 例),残存腫瘍のある患児(14 例),肉眼的転移のある患児(12 例)で,それぞれ 82±9%と 93±6%,50±13%と 56±14%,33±14%と 38±15%であった.肉眼的転移のなかった患児 31 例では,68±8%と 77±8%であった.線維形成が組織学的に確認されること,腫瘍の転移があること,2 歳未満であることが,腫瘍の再発と生存の独立した予後因子であった.再発時の治療戦略は,16 例中 8 例で奏効した.予期せぬ重大な毒性事例はなかった.23 例中 19 例では,MRI で無症候性白質脳症が検出された.治療後の平均 IQ は,同年齢の健常な対照群に比べ有意に低かったが,先行試験で放射線治療を受けた患児よりも高かった.

結 論

術後に化学療法単独で治療する方法は,転移のない若年小児の髄芽腫に対する有望な治療法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 978 - 86. )