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June 15, 2006 Vol. 354 No. 24

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イマチニブ抵抗性のフィラデルフィア染色体陽性白血病におけるダサチニブ
Dasatinib in Imatinib-Resistant Philadelphia Chromosome–Positive Leukemias

M. Talpaz and Others

背景

BCR-ABL チロシンキナーゼ阻害薬であるイマチニブは,フィラデルフィア染色体陽性(Ph 陽性)白血病に有効であるが,主にイマチニブ抵抗性 BCR-ABL 変異をもつ白血病性サブクローンが増殖した場合に,再発が起る.われわれは,慢性骨髄性白血病(CML)患者と Ph 陽性急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象に,大部分のイマチニブ抵抗性 BCR-ABL 変異を標的とする BCR-ABL 阻害薬,ダサチニブ(dasatinib)を評価した.

方 法

イマチニブに忍容性がないか,抵抗性を示す,さまざまな病期の CML 患者と Ph 陽性 ALL 患者を,第 1 相用量漸増試験に登録した.ダサチニブ(15~240 mg/日)を,4 週間の投与サイクルで,1 日 1 回ないし 2 回経口投与した.

結 果

慢性期 CML 患者 40 例中,37 例で血液学的完全寛解が得られ,増悪期 CML,急性転化期 CML,Ph 陽性 ALL の患者 44 例中,31 例に主要な血液学的効果が認められた.これら 2 つの病期において主要な細胞遺伝学的効果が得られた割合は,それぞれ 45%と 25%であった.効果は慢性期患者の 95%,増悪期患者の 82%で維持され,追跡期間の中央値はそれぞれ 12 ヵ月,5 ヵ月を超えていた.リンパ性急性転化をきたした患者と Ph 陽性 ALL 患者では,ほぼ全例が 6 ヵ月以内に再発した.T315I 変異を除く,すべての BCR-ABL 遺伝子型で反応が認められた.T315I 変異は,ダサチニブとイマチニブの両方に対する抵抗性を付与することが in vitro で確認されている.骨髄抑制の発現頻度は高かったものの,用量を制限するものではなかった.

結 論

ダサチニブは,イマチニブに忍容性がないか,抵抗性を示す CML 患者と Ph 陽性 ALL 患者において,血液学的・細胞遺伝学的効果を誘導する.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00064233)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 2531 - 41. )