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June 22, 2006 Vol. 354 No. 25

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コンドームの使用と若年女性における性器ヒトパピローマウイルス感染
Condom Use and the Risk of Genital Human Papillomavirus Infection in Young Women

R.L. Winer and Others

背景

男性がコンドームを使用することで,男性から女性へのヒトパピローマウイルス(HPV)感染の伝播リスクが減少するかどうかを評価するため,コンドームの使用と HPV 感染との時間的関係の評価を目的として明確にデザインされた,縦断研究が必要とされている.

方 法

研究期間中または登録前 2 週間以内に男性パートナーとの初回性交を報告した,女子大学生 82 人を追跡調査した.4 ヵ月ごとの婦人科検査時に,HPV DNA 検査およびパパニコロー検査用に,子宮頸部および外陰腟のサンプルを採取した.登録された女性は,2 週間ごとに,毎日の性行為についての情報を電子日記に記録した.Cox 比例ハザードモデルを用いて HPV 感染のリスク因子を評価した.

結 果

性器 HPV 感染の発生率は,検査前 8 ヵ月間の全性交時にパートナーがコンドームを使用していた女性では,感染リスクのあった 100 患者年あたり 37.8であり,パートナーのコンドーム使用が性交時の 5%未満であった女性では,リスクのあった 100 患者年あたり 89.3 であった(調整ハザード比 0.3,95%信頼区間 0.1~0.6,新しいパートナーの数および男性パートナーの過去のパートナー数で調整).高リスク型および低リスク型の HPV,ならびに 6,11,16,18 型の HPV に限定して解析を行った場合にも,同様の関連が認められた.パートナーが コンドームを 100%使用したと報告した女性では,リスクのあった 32 患者年のあいだに子宮頸部扁平上皮内病変は検出されなかったのに対し,パートナーがコンドームを使用しなかった女性や,使用する頻度が低かった女性では,リスクのあった 97 患者年のあいだに新規病変が 14 個検出された.

結 論

性的活動を開始した女性において,パートナーが一貫してコンドームを使用することで,子宮頸部および外陰腟の HPV 感染リスクが減少すると考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 2645 - 54. )