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June 22, 2006 Vol. 354 No. 25

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全身性硬化症における PDGF 受容体刺激性自己抗体
Stimulatory Autoantibodies to the PDGF Receptor in Systemic Sclerosis

S. Svegliati Baroni and Others

背景

全身性硬化症(強皮症)は,免疫異常と内皮細胞の障害,組織の線維化を特徴とする.強皮症では異常な酸化ストレスが認められており,線維芽細胞の活性化との関連が示されている.血小板由来増殖因子(PDGF)が活性酸素種(ROS)の産生を促進すること,ならびに強皮症患者の IgG がヒト線維芽細胞と反応することから,われわれは,強皮症患者には PDGF 受容体(PDGFR)を刺激する血清自己抗体があり,コラーゲン遺伝子の発現を促進しているという仮説を検証した.

方 法

PDGFR に対する刺激性自己抗体について,強皮症患者 46 例と,他の自己免疫疾患の患者を含む 75 例の対照群の血清を分析した.PDGFR α 鎖または β 鎖の不活性複製配列をもつマウス胚線維芽細胞,あるいは PDGFR α または βを発現するマウス胚線維芽細胞を,精製 IgG とインキュベートすることで産生される ROS を測定した.ROS の産生は,PDGFR 特異的阻害薬の存在下・非存在下で分析した.抗体の特徴を免疫沈降法,免疫ブロット法,吸収実験で検討した.

結 果

PDGFR を刺激する抗体は,すべての強皮症患者で検出された.この抗体は内因性 PDGFR を認識し,チロシンのリン酸化と ROS の蓄積を促した.自己抗体の活性は,PDGFR α 鎖を発現している細胞または組換え型 PDGFR とのプレインキュベーション,または PDGFR チロシンキナーゼ阻害薬により失われた.PDGFR 刺激性抗体は,正常なヒト初代線維芽細胞において,Ha-Ras-ERK1/2 と ROS カスケードを選択的に誘発し,I 型コラーゲン遺伝子の発現と筋線維芽細胞の表現型の変換を促進した.

結 論

PDGFR 刺激性自己抗体は,強皮症に特有の特徴であると考えられる.この抗体は,線維芽細胞に対する生物活性から,強皮症の発症に対する病因的役割があることが強く示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 2667 - 76. )