The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 12, 2006 Vol. 355 No. 15

アルツハイマー病患者における非定型抗精神病薬の有効性
Effectiveness of Atypical Antipsychotic Drugs in Patients with Alzheimer's Disease

L.S. Schneider and Others

背景

第二世代(非定型)抗精神病薬は,アルツハイマー病患者の精神症状,攻撃性,興奮の治療に広く用いられているが,それらの有用性は不明であり,安全性に関する懸念が生じている.アルツハイマー病の外来患者において,非定型抗精神病薬の有効性を評価した.

方 法

42 施設で実施したこの二重盲検プラセボ対照試験では,精神症状,攻撃性,興奮を呈するアルツハイマー病の外来患者 421 例を,オランザピン群(平均投与量 5.5 mg/日),クエチアピン群(平均投与量 56.5 mg/日),リスペリドン群(平均投与量 1.0 mg/日),プラセボ群に無作為に割り付けた.必要に応じて投与量を調節し,最長 36 週間患者を追跡した.主要転帰は,初回投与からあらゆる原因により投与を中止するまでの期間,および 12 週目に臨床全般印象尺度(CGIC)で少なくとも最小限の改善が認められた患者数とした.

結 果

あらゆる原因による投与中止までの期間に関して,オランザピン(中央値 8.1 週間),クエチアピン(中央値 5.3 週間),リスペリドン(中央値 7.4 週間),プラセボ(中央値 8.0 週間)のあいだに有意差は認められなかった(P=0.52).有効性の欠如を原因とする投与中止までの期間の中央値は,オランザピン(22.1 週間)とリスペリドン(26.7 週間)のほうが,クエチアピン(9.1 週間)とプラセボ(9.0 週間)よりも優れていた(P=0.002).有害事象または不耐性が原因で投与を中止するまでの期間は,プラセボで優れていた.全体では,オランザピン群の 24%,クエチアピン群の 16%,リスペリドン群の 18%,プラセボ群の 5%が,不耐性が原因で投与を中止した(P=0.009).CGIC の改善に関しては,投与群間に有意差は認められなかった.改善は,オランザピン群の 32%,クエチアピン群の 26%,リスペリドン群の 29%,プラセボ群の 21%で認められた(P=0.22).

結 論

アルツハイマー病患者の精神症状,攻撃性,興奮の治療における非定型抗精神病薬の有効性は,有害作用によってその優位性が相殺される.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00015548)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1525 - 38. )