The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 19, 2006 Vol. 355 No. 16

高齢女性における DHEA と高齢男性における DHEA およびテストステロンの効果
DHEA in Elderly Women and DHEA or Testosterone in Elderly Men

K.S. Nair and Others

背景

デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)とテストステロンは,抗加齢サプリメントとして広く宣伝されているが,潜在的な有害性と比較した長期的な有用性は不明である.

方 法

硫酸 DHEA 濃度および生物学的活性を示すテストステロン(bioavailable testosterone)の濃度が低い高齢男性 87 例と,硫酸 DHEA 濃度の低い高齢女性 57 例を対象として,2 年間のプラセボ対照無作為化二重盲検試験を実施した.対象男性の 29 例に DHEA,27 例にテストステロン,31 例にプラセボを投与した.対象女性の 27 例に DHEA,30 例にプラセボを投与した.転帰評価項目は,身体能力,体組成,骨密度(BMD),耐糖能,QOL などとした.

結 果

硫酸 DHEA の血漿濃度は,プラセボ群のベースラインから 24 ヵ月までの変化と比較して,DHEA を 2 年間投与した被験者では,男性で中央値 3.4 μg/mL(9.2 μmol/L),女性で中央値 3.8 μg/mL(10.3 μmol/L)高かった.生物学的活性を示すテストステロンの濃度は,テストステロンを投与した男性では,プラセボ群の変化と比較して中央値 30.4 ng/dL(1.1 nmol/L)高かった.男女別にそれぞれ解析したところ,体組成値に対する DHEA の有意な効果は認められなかった.また,いずれのホルモンを投与した場合にも,1 分間当りの最大酸素消費量,筋力,インスリン感受性に変化は認められなかった.テストステロンを投与した男性では除脂肪体重がわずかに増加し,両群とも男性の大腿骨頸部の BMD が増加した.DHEA を投与した女性では橈骨超遠位部の BMD が増加した.QOL はいずれのホルモンを投与した場合にも改善しなかったが,重大な有害作用も認められなかった.

結 論

高齢者において,DHEA 補充療法と低用量テストステロン補充療法は,いずれも体組成,身体能力,インスリン感受性,QOL に対して,生理学的に意義のある有益な効果を示さない.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00254371)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1647 - 59. )