The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

March 15, 2007 Vol. 356 No. 11

新たに診断された骨髄腫に対する同種移植と自家移植の比較
A Comparison of Allografting with Autografting for Newly Diagnosed Myeloma

B. Bruno and Others

背景

新たに診断された多発性骨髄腫の治療に関するこの試験では,造血幹細胞の自家移植後に HLA 一致同胞から同種移植を行う治療法と,タンデム自家移植の治療法を比較した.

方 法

新たに骨髄腫と診断された患者で,同胞が 1 人以上いる年齢 65 歳以下の連続症例 162 例を登録した.すべての患者に対し,最初にビンクリスチン,ドキソルビシン,デキサメタゾンを投与し,その後メルファラン投与と自家幹細胞救援を行った.その後,HLA 一致同胞のいる患者には,骨髄非破壊的な全身放射線治療とその同胞からの幹細胞移植を行った.HLA 一致同胞のいない患者には,骨髄破壊的用量のメルファランを 2 回連続投与し,各投与後に自家幹細胞救援を行った.主要エンドポイントは,全生存期間と治療成功期間とした.

結 果

中央値 45 ヵ月(21~90 ヵ月)の追跡期間後,HLA 一致同胞のいる 80 例は,HLA 一致同胞のいない 82 例よりも全生存期間と治療成功期間の中央値が長かった(それぞれ 80 ヵ月 対 54 ヵ月,P=0.01;35 ヵ月 対 29 ヵ月,P=0.02).割り付けられた治療プロトコールを完了した患者において,治療に関連する死亡率は自家移植 ― 自家移植群(46 例)と自家移植 ― 同種移植群(58 例)とで有意差はなかったが(P=0.09),疾患に関連する死亡率は自家移植 ― 自家移植群のほうが有意に高かった(43% 対 7%,P<0.001).自家移植 ― 同種移植群の移植片対宿主病(GVHD)のグレード II,III,IV を合せた累積発生率とグレード IV の GVHD 累積発生率は,それぞれ 43%,4%であった.全体では 58 例中 21 例(36%)が,同種移植後,中央値 38 ヵ月(10~72 ヵ月)の追跡期間後に完全寛解に達していた.自家移植を 2 回受けた 46 例のうち,25 例(54%)が死亡した.

結 論

新たに骨髄腫と診断された患者のうち,造血幹細胞の自家移植後に HLA 一致同胞から幹細胞同種移植を受けた患者の生存は,幹細胞のタンデム自家移植を受けた患者よりも優れていた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00415987)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1110 - 20. )