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May 10, 2007 Vol. 356 No. 19

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高悪性度の子宮頸部病変を予防するためのヒトパピローマウイルスに対する 4 価ワクチン
Quadrivalent Vaccine against Human Papillomavirus to Prevent High-Grade Cervical Lesions

The FUTURE II Study Group

背景

ヒトパピローマウイルス 16 型(HPV-16)と 18 型(HPV-18)は,世界中で子宮頸癌の約 70%の原因となっている.HPV-16 と HPV-18 に関連する高悪性度子宮頸部病変の予防を目的とした,HPV 6 型,11 型,16 型,18 型(HPV-6/11/16/18)に対する 4 価ワクチンを評価するために,第 3 相試験を実施した.

方 法

この無作為化二重盲検試験では,年齢 15~26 歳の女性 12,167 例を HPV-6/11/16/18 ワクチンまたはプラセボを 3 回接種する群に割り付けた.接種は 1 日目,2 ヵ月目,6 ヵ月目に行った.プロトコールに基づき,3 回目の接種から 1 ヵ月のあいだ(7 ヵ月目)までに HPV-16 感染または HPV-18 感染を示すウイルス学的所見のみられなかったワクチン群の 5,305 例とプラセボ群の 5,260 例を感受性集団とし,この集団を対象に主要解析を行った.主要複合エンドポイントは,悪性度 2 または 3 の子宮頸部上皮内腫瘍,上皮内腺癌,HPV-16 または HPV-18 に関連する子宮頸癌とした.

結 果

ワクチンまたはプラセボの初回接種後,平均 3 年間被験者を追跡した.主要複合エンドポイントの予防に対するワクチンの有効性は,プロトコールに基づく感受性集団では 98%(95%信頼区間 [CI] 86~100),無作為化された女性全員(感染の既往者と非既往者の双方を含む)から成る intention-to-treat 集団では 44%(95% CI 26~58)であった.この intention-to-treat 集団において,原因となった HPV の型にかかわらず,すべての高悪性度子宮頸部病変に対するワクチンの有効性は,推定で 17%であった(95% CI 1~31).

結 論

HPV-16,HPV-18 のいずれにも感染したことのない若年女性では,ワクチンを接種した女性はプラセボ群の女性よりも,HPV-16 または HPV-18 に関連する高悪性度の頸部上皮内腫瘍の発症率が著明に低かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00092534)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1915 - 27. )